...虧(か)けてはいたが...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...かるが故に、其詩、幽妙を虧き、人をして宛然自から創作する如き享樂無からしむ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...しかし満(みつ)れば虧(か)くるの比喩(ひゆ)に洩(も)れず...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...この祠のある場處は恐らく佐渡の最北端から金北山を通つて來た山の脊の一部の石灰の多い箇處が海か雨かのために虧けでもしたものらしく...
江南文三 「佐渡が島から」
...まさしく石灰岩の美しい肌から石英粗面岩へうつる境めの黒い汚い岩の不規則な腐蝕のために昔高い處にあつたのが墜落して下の岩の虧けめに挾まつたのだと推測されますので...
江南文三 「佐渡が島から」
...昔から天道は満つるを虧(か)き...
丘浅次郎 「自然界の虚偽」
...とにかくそこに俳句というような花鳥風月を詠う詩を生み出すべき原因が虧(か)けているように思われました...
高浜虚子 「俳句への道」
...九仞(きゅうじん)の功を一簣(いっき)に虧(か)いた...
谷崎潤一郎 「途上」
...緑平老に一句なるほど信濃の月が出てゐる月蝕旅の月夜のだんだん虧げゆくを伊那町にてこの水あの水の天龍となる水音権兵衛峠へながれがここでおちあふ音の山ざくら鳥居峠このみちいくねんの大栃芽吹く木曾の宿おちつけないふとんおもたく寝る帰居しみじみしづかな机の塵朝の土をもくもくもたげてもぐらもち大旱涸れて涸れきつて石ころごろごろ雨乞燃ゆる火の...
種田山頭火 「草木塔」
...訪ね来て山羊に鳴かれる高遠・なるほど信濃の月が出てゐる飲んでもうたうても蛙鳴くさくらはすつかり葉桜となりて月夜・旅の月夜のふくろう啼くか水音の月がのぼれば葉桜の花びら・ポストはそこに旅の月夜で五月三日の月蝕・旅の月夜のだんだん虧(カ)げてくるアメの魚(ウヲ)・みすゞかる信濃の水のすがたとも井月の墓前にて・お墓したしくお酒をそゝぐ・お墓撫でさすりつゝ...
種田山頭火 「旅日記」
...尚ほしかすがに一点の虧隙(きげき)あるを感ぜざるを得ざりし也...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...月の盈虧(えいき)の影響が最近やっとはっきりつかめたと...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...虧けた三日月が漠々たる夜空に高く昇っておりましたから...
西尾正 「墓場」
...もやもや立ち昇る煙霧の中へ青ざめた虧(か)けた三日月が射し入っておりました...
西尾正 「墓場」
...元来この立春立夏等の節は陰暦時代にも用ゐられたれどその実月の盈虧(えいき)には何らの関係もなくかへつて太陽の位置より算出せし者なればこれを太陽暦と並び用ゐて毫(ごう)も矛盾せざるのみならず毎年ほぼ同一の日に当るを以て記憶にも甚だ便利あり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...月の一部が虧けるのと同じで...
松永延造 「ラ氏の笛」
...眼中無蔽虧...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...6795月の盈虧(えいき)は己が始めた...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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