...唯この俗伝を生じたのも或は虞美人(ぐびじん)の血の化して虞美人草となつた話に根ざしてゐるかと思ふだけである...
芥川龍之介 「鴉片」
...いわゆる“糧荒”の虞(おそれ)なからしめた事であるそうである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...壊れてしまう虞(おそ)れが...
海野十三 「空襲葬送曲」
...虞夏書又は洪範などの眞僞竄亂を調べて見たならば...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...内地に於ける名所古蹟の遊覧には歴史的賞讃の義務を強ひられる虞(おそれ)がある...
永井荷風 「海洋の旅」
...細径は一度下って復(また)登る事渓谷に似たれば貴人の自動車土を捲いて来るの虞(おそれ)なく番地は近隣一帯皆同じければ訪問記者を惑すによし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...名ハ虞(ぐ)...
中島敦 「李陵」
...とんでもない錯覚に陥る虞(おそ)れがある...
中谷宇吉郎 「硝子を破る者」
...事実虞れではなく...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...そのくらい不便な所でも火事の虞(おそれ)はあったものと見えて...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...果して自由なるものが如何(いか)なる権利あるいは権力であるかを了解する者が少くないかを虞(おそ)れる...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...しかし一言の下にこの理窟を打ち破つてしまつては彼は面目を失ふことの代りに話は手切れになつてしまふ虞(おそ)れを思つて見た...
平出修 「瘢痕」
...到る処人に嫌われ暗殺の虞(おそれ)さえある故...
南方熊楠 「十二支考」
...水災を虞(おそ)れて一所に置かず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...ウッカリ持ち出すと反逆者の下役人に見咎(みとが)められる虞(おそ)れもありますので...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...出来たと思っても結局一人呑込みになる虞(おそれ)があると思う...
夢野久作 「能とは何か」
...虞美人草(ぐびじんさう)の散るままに...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...虞翻は近々と城門の下へ寄り...
吉川英治 「三国志」
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