...したがって、有智と無智、真理と虚説、高貴と卑賤とのあいだの犯すべからざる境界線は消え失せて、ただ無形の思想が空間にただよっているばかりとなってしまった...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...これも後に聞けば、やはり虚説、訛伝(かでん)であったそうだ...
井上円了 「おばけの正体」
...時よた之儀、前々より堅禁止申渡置事候処、速々緩に成行、就中頃日差立候方もよたに被訛、神信仰にて色祭奠執行、又は田舎江も差越、段々神事致貪着候由相聞得候、有来候神社嶽之参詣を格別に候得共、不謂虚説に惑ひ、神社抔と申致信心候儀、国家之妨甚以不可然事候条、右之断然と可相止候、依之横目中にも見聞申付、若違背之者於有之は、時よたは勿論夫れを用候方も不依貴賤、吟味之上重科にも可及候条、此旨支配中不洩可申渡者也、四月廿五日 評定所御物奉行申口これはじつに口碑と一致しているように思われます...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...勿論虚説にてあるべきとは思(おぼ)し候え共...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...虚説妄説が声高く宣伝せられることによって...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...而(しこう)して従来虚説なりとして顧りみざりし露国南下の実情も...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...これは妄(みだり)に虚説を信ずる者を誡(いまし)めた譬喩だが...
南方熊楠 「十二支考」
...『旧事紀』は正書でないから虚説で...
南方熊楠 「十二支考」
...君侯のお手が附いたと云ふ虚説が伝へられたために...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...敵側の撒(ま)いた虚説(きょせつ)として相戒(あいいまし)めていたが...
吉川英治 「黒田如水」
...虚説である」と、明確に喝破(かっぱ)し、「高祖三尺の剣をさげて、秦楚(しんそ)を亡ぼし、朕に及ぶこと四百年...
吉川英治 「三国志」
...為にする者の虚説です...
吉川英治 「三国志」
...あきらかにそれは虚説だ...
吉川英治 「私本太平記」
...派手がましく伝えた虚説で...
吉川英治 「新書太閤記」
...虚説であろうはずもなし?」この日...
吉川英治 「新書太閤記」
...秀吉と共に襲(よ)せて来る」などという虚説を...
吉川英治 「新書太閤記」
...信雄卿が殺されたなどという虚説の出所は――決して信雄卿のお供衆からではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...「どこから出た虚説(きょせつ)やら...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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