...そんな不安というか虚無的な気持というか...
梅崎春生 「狂い凧」
...日頃に似合わず虚無的な影に怯えているらしいことを案じて彼の邸まで送って来たのである...
海野十三 「地球発狂事件」
...れいの虚無的なるぶらりぶらりの歩き方をも体得して居た筈でありますし...
太宰治 「女の決闘」
...また逢う日までなぞという甘美な願いも含まれていない虚無的な別離を意味する日本語...
田中英光 「さようなら」
...たとえばある一人の虚無的な思想をもった大学生に高利貸しの老婆を殺させる...
寺田寅彦 「科学と文学」
...この寂滅あるいは虚無的な色彩が中古のあらゆる文化に滲透(しんとう)しているのは人の知るところである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...この虚無的な変りようには駭(おどろ)かずにはいられなかった...
徳永直 「冬枯れ」
...そうして彼は虚無的な憤恨を抱いているかたわら不正型な意志を持っていることを知った...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...自分の虚無的な頽廃的な気分に甘えたことがあった...
豊島与志雄 「ふざけた読書」
...私からお願いいたします」虚無的な岡崎十次郎がこんな事をいうのですから...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...虚無的な光さえ宿っているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...外から入つた樣子は少しもないのは御承知の通りで」平次はこの虚無的な浪人者の口から遠慮のないことが聽き度かつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宇佐美敬太郎の虚無的な顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのくせ残酷で猛烈で虚無的な響さえ持って居りました...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...メロドラマ的な空想を熱情的にかきたてる虚無的なロシア人の血が通っているからです...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...「ロシア人は虚無的な思想がどこから来るのか諒解するのに疲れている...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...そしていくらか虚無的な笑いをうかべた...
山本周五郎 「青べか物語」
...桃の花だけにたりと笑っている虚無的な風景が泛んで来た...
横光利一 「旅愁」
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