...また逢う日までなぞという甘美な願いも含まれていない虚無的な別離を意味する日本語...
田中英光 「さようなら」
...この寂滅あるいは虚無的な色彩が中古のあらゆる文化に滲透(しんとう)しているのは人の知るところである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...やがて一種虚無的なケオスを造り出す...
戸坂潤 「思想としての文学」
...私は非常に虚無的な気持へ陥っていった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...トルストイの虚無的な憐憫(れんびん)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...生きながら骨を南海の風雨に曝(さら)しているとでもいった虚無的な人間...
中島敦 「光と風と夢」
...「ロシア人は虚無的な思想がどこから来るのか諒解するのに疲れている...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...手はなかろう」虚無的なことをいって...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...此の虚無的な精神は悪へのみの加担者ではない...
松永延造 「職工と微笑」
...榊山氏の文章は虚無的な色調の上に攪乱された神経と...
宮本百合子 「明日の言葉」
...虚無的な刹那的な官能のなかに...
宮本百合子 「新しい文学の誕生」
...まるで虚無的な時間でした...
三好十郎 「肌の匂い」
...そしていくらか虚無的な笑いをうかべた...
山本周五郎 「青べか物語」
...そしていくらか虚無的な笑いをうかべた...
山本周五郎 「青べか物語」
...私はこの死骸の堡塁の中で、曾ての中学時代に陥った記憶のある、あの虚無的な、底抜けの懐疑感の中へ今一度、こうして深々と陥(は)まり込んでしまったのであった...
夢野久作 「戦場」
...桃の花だけにたりと笑っている虚無的な風景が泛んで来た...
横光利一 「旅愁」
...最前からぽんやりと虚無的な考えに囚われている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そういう虚無的な人間も...
吉川英治 「宮本武蔵」
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