...彼はその虚無的な気分に浸りたいが為めに...
有島武郎 「An Incident」
...この寂滅あるいは虚無的な色彩が中古のあらゆる文化に滲透(しんとう)しているのは人の知るところである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...この虚無的な変りようには駭(おどろ)かずにはいられなかった...
徳永直 「冬枯れ」
...そうして彼は虚無的な憤恨を抱いているかたわら不正型な意志を持っていることを知った...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...私は非常に虚無的な気持へ陥っていった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...かういふ虚無的なやうな...
中里介山 「大菩薩峠」
...生きながら骨を南海の風雨に曝(さら)しているとでもいった虚無的な人間...
中島敦 「光と風と夢」
...虚無的な光さえ宿っているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのくせ残酷で猛烈で虚無的な響さえ持って居りました...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...「とてもとても……」心の隅に虚無的な感情が萌えだし...
久生十蘭 「一の倉沢」
...榊山氏の文章は虚無的な色調の上に攪乱された神経と...
宮本百合子 「明日の言葉」
...虚無的な刹那的な官能のなかに...
宮本百合子 「新しい文学の誕生」
...まるで虚無的な時間でした...
三好十郎 「肌の匂い」
...そしていくらか虚無的な笑いをうかべた...
山本周五郎 「青べか物語」
...そしていくらか虚無的な笑いをうかべた...
山本周五郎 「青べか物語」
...私はこの死骸の堡塁の中で、曾ての中学時代に陥った記憶のある、あの虚無的な、底抜けの懐疑感の中へ今一度、こうして深々と陥(は)まり込んでしまったのであった...
夢野久作 「戦場」
...桃の花だけにたりと笑っている虚無的な風景が泛んで来た...
横光利一 「旅愁」
...最前からぽんやりと虚無的な考えに囚われている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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