...いっさいの虚飾を捨てた生活が必要である...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...その義歯の中が虚(うつ)ろになっていて...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...多少は負け惜しみもあって虚勢を張っているのかも知れないが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...酒肴が出るという寸法で」「その竹光を見せて貰おうか」「ヘエ――」虚無僧の兼吉が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あの二人の虚無僧の後を跟(つ)けてくれ」「ヘエ――」ガラッ八は猟犬のように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...全て瓦礫に等しいのではないかといふ虚無感に突落されることもある...
原民喜 「死について」
...ギラギラと炎天の下に横わっている銀色の虚無のひろがりの中に...
原民喜 「夏の花」
...彼は熱心に彼の「ルウベンスの偽画」を虚空に描いていた...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...見せかけの虚栄で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...皮と肉との間に空虚のあるやつは中の肉の乾(ひから)びておることが多い...
正岡子規 「くだもの」
...新虚栗(しんみなしぐり)の時何者をか攫(つか)まんとして得るところあらず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...その馬鹿さ加減はどれだけ嗤(わら)っても嗤いつくせない虚無そのものだった...
室生犀星 「姫たちばな」
...虚偽は姦淫よりももっと悪いことだと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ぶらぶら行かしゃったお二人づれの虚無僧がありましただ」「おお...
吉川英治 「剣難女難」
...そんな凡眼で、この大軍をうごかし、呉の周瑜(しゅうゆ)に当るときは、たちまち、敵の好餌――撃砕されるにきまっている」「何、敗れるにきまっていると」「然り、小学の兵書に慢じ、新しき兵理を究(きわ)めず、わずか、一書簡の虚実も、一使の言の信不信も、これを観る眼すらない大将が、何で、呉の新鋭に勝てようか」「…………」ふと、曹操は唇(くち)をむすんで、何か考えこむような眼で、じっと、沢(かんたく)を見直していた...
吉川英治 「三国志」
...紫虚上人は、ぶあいそに、「蜀中が見えるよ」と、いった...
吉川英治 「三国志」
...ふたたび帰るにも帰れぬ虚無にとらわれたことでもあろう...
吉川英治 「私本太平記」
...如日虚空住(にょにちこくうじゅう)或被悪人逐(わくひあくにんちく)堕落金剛山(こんごうせん)念彼観音力(ねんぴかんのんりき)不能損一毛或値怨賊遶(わくじおんぞくにょう)各執刀加害念彼(ねんび)観音力咸(げん)即起慈心或遭(わくそう)王難苦臨刑欲寿終(りんぎょうよくじゅじゅう)念彼観音力刀尋段々壊(だんだんね)半瓦と並んだお杉は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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