...左会津道」と刻されてあるのが蘚苔(せんたい)に覆われて読める...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...石の土台さえも地衣や蘚(こけ)に被われ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...詩人先生にはあつらへの名句とも太陽の蘚苔(こけ)あり...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...浮島は水蘚類や石松科の動物を去ることの餘り遠くない植物で覆はれてゐて...
江南文三 「佐渡が島から」
...苔蘚(こけ)の生えた坊主の頭顱(あたま)のような墓石(はか)は泣くように見られた...
田山花袋 「田舎教師」
...さま/″\の蘚苔(こけ)をふわりと纏(まと)うて居るのもある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その根もとには蘚苔(せんたい)の糸根かなにかいっぱいに紅く波に洗われ...
中勘助 「島守」
...千年松(センネンサウ)(物理小識○高野山にて万年草といふ他州にては玉柏を万年草といふ故に此草を高野の万年草といひて分てり)高野山大師の廟の辺及三山の際に蔓生す乾けるものを水中に投ずれば忽蒼翠に復す故に俗間収め貯へて旅行の安否を占ふこの高野のマンネンソウは蘚類の一種で Climacium japonicumLindb. の学名を有するもので...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...碧蘚開花岩脚遍...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...たくさんの草の中から白蘚(はくせん)をさがし出してその傷をいやそうとするのを見るとき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼女の眼は蘚苔(こけ)の付いた石燈籠も...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...蘚苔に包まれていたのを...
山本周五郎 「山彦乙女」
...」私は堂を廻つてゐる高縁に蹲んで蘚(こけ)の上を眺めてゐた...
横光利一 「草の中」
...岩の隙間に密生した蘚苔(せんたい)類の華奢な花や...
横光利一 「馬車」
...人一人も通らぬその横には蘚の生えたような石の建物がみな窓を閉め道に添って曲っている...
横光利一 「旅愁」
...蘚伯(せんぱく)さまが...
吉川英治 「剣難女難」
...妾(わらわ)が頼んでおいた品は?」「蘚伯さまがしきりに考えているのを...
吉川英治 「剣難女難」
...今朝見舞ってきた蘚伯があとは養生次第と云ったので...
吉川英治 「剣難女難」
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