...丁度丈の高いヨルダンの蘆のゆららかに星を撫でてゐるやうに...
芥川龍之介 「続西方の人」
...御馳走をしてやるからね」大蘆原軍医はそう云ってから...
海野十三 「恐しき通夜」
...六此時、突然、向河岸の蘆間に、大入道の姿が出現した...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...蘆屋じゅうの自動車が引っ張り凧(だこ)になるので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...本来ならば、この間から鶴子がひとりで引越しの準備に忙殺されていることは分っていたのだから、雪子と妙子とは云われないでも上本町へ戻って、姉の手伝いをすべきであったのに、二人ともなるべく本家へ行くことを避けていたのは、―――それでも雪子は呼び付けられて一週間ばかり泊って来たけれども、妙子の如(ごと)きは急に製作が忙しくなったと云い出して、仕事部屋に立て籠(こも)ったきり、蘆屋にさえ、先日姉が来ていた間にちょっと一晩戻っただけで殆(ほとん)ど寄り着かず、大阪の方へは全然帰らずじまいであったのは、―――何よりもその問題に先手を打って、自分達は関西に居残りたいのだと云う意志表示をしている積りなのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...山蘆屋の或(あ)る邸(やしき)に奉公していた品子を嫁に貰ったのだが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...それは最後に奉公をしていた神港軒から暇を貰って蘆屋へ帰った時であるから...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...その形と蘆荻(ろてき)の茂りとは...
永井荷風 「放水路」
...わたくしは枯蘆の中の水たまりに宵(よい)の明星(みょうじょう)が々(けいけい)として浮いているのに...
永井荷風 「元八まん」
...遼東の小児蘆管を採る……あの心を取って吹かせてみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...支那のいわゆる蘆管――遼東の小児の弄(もてあそ)ぶそれとは違っているかも知れません」「胡笳(こか)というのとは...
中里介山 「大菩薩峠」
...岸の蘆が芽ぐみ始めると...
中島敦 「狐憑」
...わずかばかりの蘆の葉で支えられ...
久生十蘭 「泡沫の記」
...蘆(あし)の湖(こ)が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「中村・沢目・蘆谷(あしのや)村と云ふは...
柳田国男 「山の人生」
...自分の乗馬の蘆毛(あしげ)を与えた...
吉川英治 「三国志」
...数里にわたる蘆荻(ろてき)が...
吉川英治 「三国志」
...インドに於てのみ育ち得るような太い蘆が漂着した...
和辻哲郎 「鎖国」
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