...蘆の根をゆすつた...
芥川龍之介 「産屋」
...中洲の蘆間を分けて出て来たのは...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...大島氏、大蘆氏、女鹿氏など來りて別れを叙す...
大町桂月 「十和田湖」
...あのパスカルが「人間は考える蘆(あし)」だといったことばは...
高神覚昇 「般若心経講義」
...秋風のだん/\荒し蘆の原昭和六年九月十八日 家庭俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...「それ逃がすな」「討ちとれ」抜いた刀が蘆の葉の間から見えた...
田中貢太郎 「女賊記」
...よんどころなく、夜が更(ふ)けてから彼女はそうッとスコップを持って出かけて行って、その辺の畑の土を掻いて来たり、小学校の運動場から滑り台の砂を盗んで来たり、そんな晩には又よく犬に吠(ほ)えられたり、怪しい男に尾(つ)けられたり、―――全く、リリーのためでなかったら、誰に頼まれてこんな嫌な仕事をしよう、だが又リリーのためならばこう云う苦労を厭(いと)わないとは、何としたことであろうと思うと、返す返すも、蘆屋の時分に、なぜこの半分もの愛情を以て、この獣をいつくしんでやらなかったか、自分にそう云う心がけがあったら、よもや夫との仲が不縁になりはしなかったであろうし、このような憂き目は見なかったであろうものをと、今更それが悔まれてならない...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...―――阪神電車の沿線にある町々、西宮、蘆屋、魚崎、住吉あたりでは、地元(じもと)の浜で獲(と)れる鰺や鰯を、「鰺の取れ/\」「鰯の取れ/\」と呼びながら大概毎日売りに来る...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...御迷惑でもこれから蘆屋(あしや)まで光子さん送って行ったげて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...悪い仙人じゃわイ」こう話しながらも気短かなフランボーは小舟をサラサラそよぐ蘆の中に乗入れていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...其(そ)は此の蘆の中から湧いて来る歌の声――万作の娘お光(みつ)が歌う歌であった...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...蘆管を採る可憐(かれん)新管...
中里介山 「大菩薩峠」
...蘆荻(ろてき)の透間(すきま)をさがして...
中里介山 「大菩薩峠」
...一年後の蘆溝橋事件の勃発を目前にして...
中谷宇吉郎 「雪今昔物語」
...歌うたう人であったムルタはそのとき矢の届くぐらい離れている苔のなかの小さな沢に生えている蘆(あし)の方に歩いて行った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...蘆(あし)の一叢(ひとむら)舟に触れて...
森鴎外 「うたかたの記」
...中央に蘆の葉に埋った島が二つ見えている...
横光利一 「旅愁」
...蘆荻と暗い水の戦(そよ)ぎであった...
吉川英治 「新書太閤記」
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