...その簪の橘(たちばな)が蘂(しべ)に抱きました...
泉鏡花 「怨霊借用」
...同じ川添ひの碧蘂(るべしべ)村にある...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...蕚(うてな)にぬれる蘂の粉が花なき今も香を吹きて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...一(いちす)のかをり焚きくゆる蘂(しべ)は...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...一(いちす)のかをり焚(た)きくゆる蘂(しべ)は...
薄田淳介 「白羊宮」
...あとに雄蘂(おしべ)が髯(ひげ)のように残ったのをも...
谷崎潤一郎 「細雪」
...二輪は黄色の雄蘂を上に向けている...
外村繁 「日を愛しむ」
...黄色の雄蘂(おしべ)をつけたまま...
外村繁 「落日の光景」
...藁蘂(わらしべ)で結つた油氣のない髮は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...藁蘂(わらしべ)の髮を結つた小田原在の爺(とつ)さん...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雄蘂と雌蘂今日一般に用いている Stamen の訳語雄蘂と Pistil の訳語雌蘂とは...
牧野富太郎 「植物記」
...宇田川榕菴氏の『植学啓原』ではこの雄蘂の通名を鬚蘂と為し漢訳の『植物学』では単に鬚といっている...
牧野富太郎 「植物記」
...雄蘂の方は『啓原』ではその通称を心蘂と成し『植物学』では単に心と書いている...
牧野富太郎 「植物記」
...Filament すなわち雄蘂の茎を花糸というのもまた圭介氏創設の文字で榕菴氏はこれを※と称している...
牧野富太郎 「植物記」
...雌蘂の Style を花柱と訳したのは伊藤氏で宇田川氏も同様であるが『植物学』では管といっている...
牧野富太郎 「植物記」
...くれなゐの大輪の牡丹の蘂に...
正岡子規 「蝶」
...その句また尾張より東武に下る時牡丹蘂(しべ)深くわけ出る蜂の名残かな 芭蕉桃隣新宅自画自賛寒からぬ露や牡丹の花の蜜 同等の如き...
正岡子規 「俳人蕪村」
...植物などにも一花内の雌雄(しゆう)蘂(ずい)交わって専ら繁殖し行くもある...
南方熊楠 「十二支考」
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