...暗(やみ)の中に鳴いている藪蚊(やぶか)のように...
芥川龍之介 「偸盗」
...そろそろ藪蚊(やぶか)が出て来て病室に白い蚊帳を吊りはじめたころ...
太宰治 「東京八景」
...要は流しに出ていると体じゅうを藪蚊(やぶか)が喰うので...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...蚊帳なしで寝てみたが藪蚊がとき/″\襲ふので...
種田山頭火 「一草庵日記」
...ぬくいので藪蚊が来襲してさん/″\だつた...
種田山頭火 「一草庵日記」
...私一人に藪蚊があつまつてきて無警告で螫すから...
種田山頭火 「其中日記」
...朝蝉のよろしさ、藪蚊のにくさ...
種田山頭火 「旅日記」
...家に帰ると座敷の内には藪蚊がうなっていて...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...藪蚊こほろぎ絶間なく寂滅為楽を唱へたり...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...木の根石の端に腰かくるも藪蚊(やぶか)いまだ来らず...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...ましてこゝは藪蚊のおほきところなれば只いつまでも吊らせてありけるが幾夜さを蚊帳に別れてながき夜のほのかに愁し雨のふる夜は古蚊帳のひさしく吊りし綻びもなか/\いまは懷しみこそ三吸入室の窓のもとに...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...ひどい藪蚊に攻められながらも仙太郎は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...この邊は山の手でも藪蚊(やぶか)の多いところで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「なに藪蚊(やぶか)ですから...
森鴎外 「百物語」
...ワンワン寄って来る藪蚊の群が金輪際怨めしかった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...机の蔭(かげ)よりは小(ちひさ)く憎き吸血魔藪蚊(やぶか)こそ現れて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...馬さえ斃(や)られる」「夜は藪蚊(やぶか)...
吉川英治 「大谷刑部」
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