...その下が些かの藪畳になって居る...
岩本素白 「寺町」
...これが片づくと本釣鐘を打込んで、藪畳を押破つて、捕手に手を取られながら、手負の蒲地が、血刀提げて出て来るといふ、自分としての儲け場所だ...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...藪畳の中に隠れてゐる翁屋に向つて...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...根笹(ねささ)や青薄(あおすすき)に交(まじ)って漆(うるし)の木などの生えた藪畳(やぶだたみ)の中へ落ちて茨(いばら)に手足を傷つけられるかであった...
田中貢太郎 「馬の顔」
...藪畳(やぶだたみ)の如き...
永井荷風 「江戸芸術論」
...下には椅子テーブルに植木鉢のみならず舞台で使う藪畳(やぶだたみ)のような植込(うえこみ)が置いてあるので...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...羅(うすもの)ひとつになって圓朝は、この間内(あいだうち)から貼りかえたいろいろさまざまの障子のような小障子のようなものへ、河岸の景色を、藪畳を、廓(よしわら)を、大広間を、侘住居(わびずまい)を、野遠見(のとおみ)を、浪幕を、かつて習い覚えた絵心をたよりに、次から次へと描き上げていった...
正岡容 「小説 圓朝」
...藪畳(やぶだたみ)を起す風塵(ふうじん)と同様の捲(ま)き起しは...
室生犀星 「生涯の垣根」
...いっそ此のつくばいのうしろに猗々たる藪畳があっても...
室生犀星 「庭をつくる人」
...その恐ろしさ……道もわからない藪畳(やぶだたみ)や...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...同じような土橋や藪畳(やぶだたみ)や森や池や窪地の多いため...
吉川英治 「江戸三国志」
...提灯の火は邸内の藪畳(やぶだたみ)から植込の中まで潜り...
吉川英治 「剣難女難」
...そのどん詰(づま)りの藪畳(やぶだたみ)で」「家中の者の眼に触(ふ)れるようなことはあるまいな」「さっきも申し上げた通り...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索