...尋ねあぐみて只(と)ある藪陰(やぶかげ)に憩(いこ)ひけるに...
巌谷小波 「こがね丸」
...藪に囲まれた空地があった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...藪や茨の中を攀じ登って行きたいのに違いなかった...
田中英光 「箱根の山」
...とある藪(やぶ)かげにあって...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...・風ふく萩はゆれつつ咲いて・藪風ふきつのる窓の明暗(関)・風を聴く鳴きやめない虫はゐる雨ふるなんぼ障子をたゝいてもはゐ(マヽ)れない虫で病中そこらまできて鉦たゝき九月廿五日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...烏瓜や藪からしがぢやんぢやらになつたぼさのなかには古井戸があつて底のはうからすいすいと蚊が出てきたりした...
中勘助 「銀の匙」
...アイダが藪医者にきっと向き直った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...新しい家は竹藪と芝の小さな丘を越えて町に降りるので...
牧野信一 「サクラの花びら」
...今はまことに立派なモウソウ藪となっている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...硝子戸(ガラスど)の店頭の一方に篠竹の小藪(こやぶ)をあしらひ...
宮地嘉六 「老残」
...「藪入り」なんか最もましな部分の流露です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...竹藪を廻ると急に彼は駈け出したが...
横光利一 「南北」
...小さな藪や草叢が砂に埋まつてゐる...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...年とつた彼女の頭の上をば、季節の變遷は幾度となく通り過ぎて、それが今では日々の過ぐる如く短かいものであつた‥‥黒ずんだ、倒れかゝつた壁をした小部落の周圍に、薔薇の藪や、石竹や、あらせいとうなどがあつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...藪八一代の不覚をやってしもうた」「……では...
吉川英治 「大岡越前」
...藪隣(やぶどな)りのあばら家から...
吉川英治 「私本太平記」
...百は後ろの藪(やぶ)の奥へ煙管をさして...
吉川英治 「野槌の百」
...漠(ばく)とした一面の藪山(やぶやま)であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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