...藪(やぶ)から切って来たばかりの青い葉のついた竹に五色の紙を吊(つ)り下げて...
太宰治 「作家の手帖」
...石垣を畳んだ大きな土手の上には黄楊(つげ)の垣根が竹藪と並行に小一町ばかりも続いているのです...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...まだ尾の生(は)えぬ時に生(い)け捕(ど)って来て別な師匠の鶯に附けて稽古させるのである尾が生えてからだと親の藪鶯の汚い声を覚えてしまうのでもはや矯正(きょうせい)することが出来ない...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...藪柑子のつゝましさ...
種田山頭火 「其中日記」
...・藪かげ藪蘭の咲いて春風・空へ積みあげる曇り・雨が風となり風のながるゝを・水音ちかくとほく晴れてくる木の芽・みんな咲いてゐる葱もたんぽぽも・なんでもかんでも拾うてあるく蛙なく(鮮人屑ひろひ)・もう葉ざくらとなり機関車のけむり・うどん一杯...
種田山頭火 「其中日記」
...藪(やぶ)のとこぐらいにしようや」「それがえい...
壺井栄 「二十四の瞳」
...小さな竹が粗らに立ってる藪のはじの...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...藪の茂みがそよぎ...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...この藪をくぐって来られた態(てい)にも見えるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...小林は藪(やぶ)から棒(ぼう)にこんな事を云い出した...
夏目漱石 「明暗」
...小さい御堂をうしろの山の中腹の藪(やぶ)の中に建てました...
新美南吉 「鳥右ヱ門諸国をめぐる」
...藪根の草葉の中から...
牧野信一 「蔭ひなた」
...やぶら小路藪柑子...
正岡容 「寄席」
...藪中の筍(たけのこ)を売り...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...「『藪の鶯』このかた」六月六日ゆうべは可笑しいでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...以上五人男の時代は奥山も藪沢山の幽境で...
山本笑月 「明治世相百話」
...今は藪だたみに見るかげもない老い木や朽ち木となっている...
吉川英治 「私本太平記」
...そんなら傷ついた曲者はどうして令嬢やアルベールやヴィクトールの眼から逃れ去ったのだろうか?巡査や下男たちが藪(やぶ)を分けて探したり...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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