...皺だらけの老人藤波金三郎には...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...藤波という家も見当らず...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...あッしはね、こいつの面を見ると、きまってその晩、瓢箪の夢を見てうなされるんです」藤波は薄い唇をほころばして白い歯を出し、「まったく、珍な顎だの、いやな面だ」顎十郎は、ゆっくり一足進みよると、眼を据えて、穴のあかんばかり、藤波の顔を瞠(みつ)めていたが、唐突(とうとつ)に口をひらいて、「つまらぬことをいうようだが、藤波さん...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……ねえ、藤波さん、千賀春は、炭火毒(すみどく)にあたって死んだんですよ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……行灯凧の燃えのこりは、のちほどお目にかけますが、ところでね、藤波さん、いったいぜんたい、どの方面から行灯凧をあげればちょうどこの辺へのびて来るでしょう...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...十中の九までは行灯を燃やしてしまうのが普通です」藤波は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...金座のへんまでお伴したいものですが」藤波は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...こうして糸を持っていると、ブルブルと震えが伝わって来て高みの心が手に感じられるようで、なんともいい心持なものです」顎十郎は、自分のからす凧と金座の地内からあがっているからす凧を互いちがいに指さしながら、「ときに、藤波さん、手前のからす凧はこの通りあんな高みまであがって行きますが、金座のからす凧のほうは、どういうものか、みなあんなふうに、妙に屋棟(やのむね)ちかくを這いまわっている……十が十、ひとつ残らずそうなんだから、チト変だとは思いませんか」藤波は気もなく、「それは、凧の出来にもよれば、大きさにもよる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波氏の名論卓説には...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波さん、さっきの話のつづきをしようじゃあないか」といって、言葉の調子をかえて、「手前はずいぶんお節介だが、それはそれとして、手を引けの、引っこめのと、きいたふうなことを言ったことは、今までただの一度もない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...やはり神隠しなんでございましょうか」藤波は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波は、呟くような声でお帰りを待たしていただきたいと言って脇書院(わきしょいん)へ通る...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波とせんぶりの千太が...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波友衛のほうが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この藤波友衛が曳いて行ってやる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波は見るより恐悚(きょうしょう)の色を浮かべ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波は平身低頭して引きとめたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そんな気は毛頭(もうとう)ないんだから」藤波は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
便利!手書き漢字入力検索