...藤娘の絵を売るか...
泉鏡花 「瓜の涙」
...綺麗な人形を買ったな」大きなガラス箱に入った藤娘の人形が...
高見順 「いやな感じ」
...半玉の一人は、藤娘を踊った...
太宰治 「デカダン抗議」
...あなたの踊った藤娘を...
太宰治 「デカダン抗議」
...こんな、つまらぬ人形なんかを買って来て、藤娘や、可愛いやろ? もないもんだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...竹さんからつまらぬ藤娘なんてお土産をもらって...
太宰治 「パンドラの匣」
...それから竹細工の藤娘(ふじむすめ)をもらって...
太宰治 「パンドラの匣」
...今度の所作は藤娘なので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...やがて皮削(かわそ)ぎ庖丁(ぼうちょう)や縫針で、胼胝(たこ)の出来た手で、鼓や太鼓の撥(ばち)をもち、踊りも、梅にも春や藤娘、お座敷を間に合わせるくらいに仕込まれた...
徳田秋声 「縮図」
...「この紙きれは、これは確かに奈良朝ものですよ、古手屋の屏風(びょうぶ)の破れにほの見えたのを、そのまま引っぺがさせて持って来たのだ」「えろう古いもんでおますな」「それから、この金仏様(かなぶつさま)――これが奈良朝よりもう少し古い、飛鳥時代(あすかじだい)から白鳳(はくほう)という代物(しろもの)なのだ、これは四条の道具店の隅っこで見つけました」「よろしい人相してまんな」「こっちを見給え、ずっと新しく、これがそれ大津絵の初版物なんだ」「大津絵どすか」「大津絵といえば、藤娘、ひょうたん鯰(なまず)、鬼の念仏、弁慶、やっこ、矢の根、座頭(ざとう)、そんなようなものに限られていると思うのは後世の誤り、初代の大津絵は皆このような仏画なのだ」「そうどすか」「それから、ズッと近代に砕けて、これが正銘の珊瑚(さんご)の五分玉、店主はまがい物と心得て十把一(じっぱひと)からげにしてあったのを拙者が見出して来た、欲しかったら、お宮さん、君に上げましょう」「まあ、有難うございます」といったようなあんばいで、暇つぶしに彼は、山科から京都くんだりを遊んで来たもののようだが、必ずしも、そうばかりではないらしくもある...
中里介山 「大菩薩峠」
...背中一面に大津絵の藤娘を彫った折助とが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...背中一面に大津繪(おおつゑ)の藤娘(ふぢむすめ)を彫つた折助とが爭ふことになりましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女寅の藤娘は無法に美しく...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...菊五郎の「藤娘」なかなか見事であった由...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「藤娘」とか、「鬼の念仏」とか、「槍持奴(やりもちやっこ)」とか、「鬼に三味線」とか、「提灯釣鐘(ちょうちんつりがね)」とか、「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」とか、「女虚無僧(おんなこむそう)」とか、「若衆」とか、「竹に虎」とか、「鷲(わし)」とか、「鷹(たか)」とか、その数は多い...
柳宗悦 「工藝の道」
...大津絵の藤娘が被(き)て居る市女(いちめ)笠の様な物でも大分(だいぶ)に女の姿を引立たして居ると自分は思ふのである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...今晩は」藤を持たない藤娘のようなのが不意にこういって入ってきたので...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...大津絵の藤娘になりそうな――と人々はその優婉(たおや)かな姿が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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