...時々蕗の薹へ鼻をやって...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...家を建てた材料と同じ薹(すげ)...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...六珊瑚樹垣(さんごじゅがき)の根には蕗(ふき)の薹(とう)が無邪気に伸びて花を咲きかけている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...山椒と蕗の薹とがある...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...蕗の薹の苦い風味を好む人も...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...同國道一日の通行馬車は約二千六百薹に上る...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...ちっと薹(とう)が立ち過ぎて使う方でも使いにくくて困るといったもの……十四にもなってぶらぶら子供を遊ばして置く家があると...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...路傍(みちばた)にはもう蕗(ふき)の薹(とう)などが芽を出していました...
太宰治 「冬の花火」
...道ばたの蕗の薹二つ三つ頂戴する...
種田山頭火 「道中記」
...陰でなあにと恍(とぼ)けて見せる薹(とう)の立った半玉もあるのだった...
徳田秋声 「縮図」
...恁(か)うして居(ゐ)る間(あひだ)に春(はる)の彼岸(ひがん)が來(き)て日南(ひなた)の垣根(かきね)には耳菜草(みゝなぐさ)や其(その)他(た)の雜草(ざつさう)が勢(いきほひ)よく出(で)だして桑畑(くはばたけ)の畦間(うねま)には冬(ふゆ)を越(こ)した薺(なづな)が線香(せんかう)の樣(やう)な薹(たう)を擡(もた)げて...
長塚節 「土」
...その頃の相場では少し薹(たう)が立ちましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すこし薹(とう)のたったお嬢さんと二人でフラリとこのホテルへやって来て沼間夫人を驚かした...
久生十蘭 「キャラコさん」
...明の李時珍(りじちん)がその著『本草綱目(ほんぞうこうもく)』に書いたところによれば、「五葷ハ即チ五辛ニシテ其辛臭ニシテ神ヲ昏マシ性ヲ伐(ウ)ツヲ謂フナリ、錬丹家ハ小蒜、韭、芸薹、胡ヲ以テ五葷ト為シ、道家ハ韭、薤、蒜、芸薹、胡ヲ以テ五葷ト為シ、仏家ハ大蒜、小蒜、興渠、慈葱、茖葱ヲ以テ五葷ト為シ、各同ジカラズト雖ドモ、然カモ皆辛薫ノ物、生食スレバ恚(イカリ)ヲ増シ、熟食スレバ婬ヲ発シ性霊ヲ損ズ故ニ之レヲ絶ツナリ」と述べてある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...梅干を使わない時は酢(す)の物(もの)を拵(こしら)えるとか百合のない時には款冬(ふき)の薹(とう)とか鮎(あゆ)のウルカとか必ず苦味と酸味を膳の上に欠かないのが五味の調和だ...
村井弦斎 「食道楽」
...佃煮(つくだに)にしたりしますが蕗味噌はどうします」妻君「先ず蕗の薹を湯煮ておきまして全体なら白胡麻ですが私どもでは胡麻の代りに南京豆を摺鉢でよく擂って味噌を交ぜてお砂糖で味をつけてその中へ蕗の薹を入れて鍋でよく煮たのです...
村井弦斎 「食道楽」
...必ずしも薹に立つた菜だけでは無く...
柳田國男 「食料名彙」
...必ずしも薹に立った菜だけではなく...
柳田國男 「食料名彙」
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