...蕗の薹は辛辣な皮肉家だけに...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...蕗の薹の苦い風味を好む人も...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...道ばたの蕗の薹二つ三つ頂戴する...
種田山頭火 「道中記」
...枯れ芝の中に花さく蕗(ふき)の薹(とう)を見いでて...
寺田寅彦 「柿の種」
...蕗(ふき)の薹(とう)が唯三つ四つ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...女も厄(やく)と言えばもう薹(とう)が立つ...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...その頃の相場では少し薹(とう)が立ちましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...嫁(とつ)ぎ遲れの薹(とう)の立つた娘ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お種の阿魔は薹(たう)が立つたから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼もまた薹(とう)のたった女男(おんなおとこ)になってしまったが...
長谷川時雨 「明治座今昔」
......
原民喜 「かげろふ断章」
...すこし薹(とう)のたったお嬢さんと二人でフラリとこのホテルへやって来て沼間夫人を驚かした...
久生十蘭 「キャラコさん」
...蕗の薹を探し始めた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...明の李時珍(りじちん)がその著『本草綱目(ほんぞうこうもく)』に書いたところによれば、「五葷ハ即チ五辛ニシテ其辛臭ニシテ神ヲ昏マシ性ヲ伐(ウ)ツヲ謂フナリ、錬丹家ハ小蒜、韭、芸薹、胡ヲ以テ五葷ト為シ、道家ハ韭、薤、蒜、芸薹、胡ヲ以テ五葷ト為シ、仏家ハ大蒜、小蒜、興渠、慈葱、茖葱ヲ以テ五葷ト為シ、各同ジカラズト雖ドモ、然カモ皆辛薫ノ物、生食スレバ恚(イカリ)ヲ増シ、熟食スレバ婬ヲ発シ性霊ヲ損ズ故ニ之レヲ絶ツナリ」と述べてある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...先日八百屋(やおや)が蕗(ふき)の薹(とう)を持って来ましたから一度に沢山蕗味噌(ふきみそ)を拵えておきました...
村井弦斎 「食道楽」
...つなが蕗(ふき)の薹(とう)を摘んでいたときのことである...
山本周五郎 「風流太平記」
...朝の汁(スウプ)にきりきざむ蕗(ふき)の薹(たう)にも春が来た...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...わたしも少し薹(とう)が立って来たらしい」「お座敷かえ」「え...
吉川英治 「春の雁」
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