...時々蕗の薹へ鼻をやって...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...蕗の薹の苦い風味を好む人も...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...何んだらうか?」――「それはたゞ風が薹所の戸をバタバタさせてゐるのだ」――2.私は眞夜中に行く...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
......
高浜虚子 「五百句」
...そこに紫色をした蕗の薹が一輪ざしに活けてあったことを覚えている...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その頃にしては少し薹(たう)の立ちかけた二十歳(はたち)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見る影もない貧しい調度の中に二十一二の――娘といふにしては少し薹(たう)が立ちましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し薹(とう)は立ちましたが...
野村胡堂 「百唇の譜」
...蕗(ふき)の薹(とう)とつくしが水の下に沈んだ...
本庄陸男 「石狩川」
...水辺ニ多ク生ズ葉ハ狭ク長ク一尺余コレヲ断バ涎アリ一根ニ叢生ス春ノ末薹ヲ起ス高サ二三尺小葉互生ス五月梢頭及葉間ニ穂ヲ出シ節ゴトニ十数花層ヲナスソノ花三弁三萼淡緑色大サ一分許中ニ淡黄色ノ蕊アリ後実ヲ結ブ……コノ実ヲ仙台ニテノミノフネト云後黄枯スレバ内ニ三稜ノ小子アリ茶褐色形蓼実ノ如シ是金蕎麦ナリ根ハ黄色ニシテ大黄ノ如(ごと)シ...
牧野富太郎 「植物記」
...それを一日でも早く市場へ出そうという考えから、長日性である大根を、すでに五月上旬頃から播き付け、もちろん抽薹しますが、抽薹すれば、わざわざその薹軸を折り取り、なおかつ硬化したその大根の上部をも切取って、漬け込むといったような、いかにも無理の籠った産業は、私は遺憾ながら、それを安全な産業として賛成し奨励申上げることができないのでございます...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...梅干を使わない時は酢(す)の物(もの)を拵(こしら)えるとか百合のない時には款冬(ふき)の薹(とう)とか鮎(あゆ)のウルカとか必ず苦味と酸味を膳の上に欠かないのが五味の調和だ...
村井弦斎 「食道楽」
...佃煮(つくだに)にしたりしますが蕗味噌はどうします」妻君「先ず蕗の薹を湯煮ておきまして全体なら白胡麻ですが私どもでは胡麻の代りに南京豆を摺鉢でよく擂って味噌を交ぜてお砂糖で味をつけてその中へ蕗の薹を入れて鍋でよく煮たのです...
村井弦斎 「食道楽」
...余り薹(とう)の立たないうちに...
森鴎外 「雁」
...必ずしも薹に立った菜だけではなく...
柳田國男 「食料名彙」
...つなが蕗(ふき)の薹(とう)を摘んでいたときのことである...
山本周五郎 「風流太平記」
...ちょっと待っておくれ』蕗(ふき)の薹(とう)を摘(つ)んだ小笊(こざる)の中へ...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...裏藪に生える蕗の薹(とう)の菜にも...
吉川英治 「死んだ千鳥」
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