...酒(さけ)の薫(かをり)が芬(ぷん)と立(た)つた...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...襟(えり)の雪がほんのり薫(かお)ると...
泉鏡花 「縁結び」
...……その風薫(かを)る橋の上(うへ)...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...永井荷風(ながいかふう)や小山内薫(おさないかおる)や夏目漱石の提撕(ていせい)を受けた三田派や人生派の芸術も著るしくこの戯作者的気分を持っている...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...あの甘いほのかな薫(かお)りが今はしたゝか咽(む)せ返るように鼻を撲(う)つのであった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...大分たつてから一度薫(かをる)に勧められて...
徳田秋声 「のらもの」
...感激的教育概念に囚(とらわ)れたる薫化(くんか)がこういう不正直な痩我慢的な人間を作り出したのである...
夏目漱石 「教育と文芸」
...恐怖(きようふ)と激情に薫蒸(くんじよう)して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夢の中からでも薫りだしたといふやうに咲き...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...忙しい時が過ぎたならまた宇治をお訪(たず)ねしようと薫は考えていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...薫は今夜を泊まることにして姫君とのどかに話がしたいと思う心から...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人生のはかなさを話題にして語る薫の言葉に時々答えて言う姫君の言葉は皆美しく感じのよいものであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...荘園の人が石山へ行ってはじめて姫君の死は薫へ報じられたのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...御病気で専念に仏へ祈っておいでになる母宮のおそばでこんな煩悶(はんもん)をしているのはよろしくないと思い薫は京の邸(やしき)へ帰った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...六十人の僧に出す布施の用意もいかめしく薫はさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...必ずしもほかへお洩らしになることはなかろうと薫は思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...花薫々処月妍々...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...谿々峰々盡く青葉の吐息に薫つて居る...
吉江喬松 「山岳美觀」
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