...ドッチの肩を持ったろう? 多恨の詩人肌から亡朝の末路に薤露(かいろ)の悲歌を手向(たむ)けたろうが...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...漱石は「幻影の盾」や「薤露行(かいろこう)」になるとよほど苦心をするそうだが「猫」は自由自在に出来るそうだ...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...「薤露行」などの一頁は「猫」の五頁位と同じ労力がかかるのは当然です...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...薤(らっきょう)を二つ並べたように腰から下が裸体になってぬッと曝し出された...
谷崎潤一郎 「少年」
...火鉢にて辣薤を煮る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...逆薤(ぎゃくらっきょう)の面(かお)を振り立て...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒魚鳥葱(そう)薤(かい)蒜(ひる)などは...
中里介山 「法然行伝」
...彼(あ)の薤(らつきやう)でも出(だ)して見(み)せえ...
長塚節 「土」
...おつぎは古(ふる)い醤油樽(しやうゆだる)から白漬(しろづけ)の薤(らつきやう)を片口(かたくち)へ出(だ)しておつたの側(そば)へ侑(すゝ)めた...
長塚節 「土」
...五段目あたりの辣薤畑のなかですらりとしたようすのいい浴衣(ゆかた)がけがひとり...
久生十蘭 「生霊」
...狐だというせいばかりではあるまい、飛騨の奥の山奥の、こんなしんとした月の光のなかでは、辣薤畑の辣薤も、屋(や)の棟の糸薄(いとすすき)も畑の畔の枝豆も、風に吹かれて揺れるものといえば、なにもかも、みな思いありげに見えるのではないかなどと考えていたそうな...
久生十蘭 「生霊」
...辣薤を踏んづけちゃだめなのよ」と...
久生十蘭 「生霊」
...枝豆も辣薤も踏まずにじょうずに踊れるようになったということだった...
久生十蘭 「生霊」
...「やめなさいってば! そんな馬子足(まごあし)で辣薤を踏んではだめ...
久生十蘭 「生霊」
...絡みあっていた辣薤の茎に踵をとられて...
久生十蘭 「生霊」
...薤形(らっきょうがた)になっているその狭いほうの端が径十一インチ...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...胡はカラカサバナ科のコエンドロ、薤はラッキョウ、興渠は一名薫渠で強臭のある阿魏(アギ)すなわち Asafoetida である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...澤庵と辣薤(らつきよう)とが珍しくもなく並んでゐるばかりだつた...
正宗白鳥 「母と子」
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