...何とかいうてください」「いや薊さん...
伊藤左千夫 「春の潮」
...「薊さんそれでは困る...
伊藤左千夫 「春の潮」
...鬼薊を掴まざるを得ざることもあり...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...谷川の縁には薊の花が咲き青芒の葉が垂れて...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...・朝戸あけるより親燕・こゝもそこもどくだみの花ざかり・水田たゝへようとするかきつばたのかげ・梅雨晴れの山がちゞまり青田がかさなり・つゝましくこゝにも咲いてげんのしようこ□・お寺まで一すぢのみち踏みしめた・うまい水の流れるところ花うつぎ・山薊いちりんの風がでた・水のほとり石をつみかさねては(賽の河原)霽れて暑い石仏ならんでおはす夏草おしわけてくるバスで昨日も今日もまたサケナシデー...
種田山頭火 「行乞記」
...『見かけはつらき鬼薊...
種田山頭火 「行乞記」
...・てふてふよつかれたかわたしはやすんでゐる・ふつと逢へて初夏の感情(追加)・青空したしくしんかんとして・朝じめりへぽとりと一つ柿の花・けさはじめての筍によつこり・こんなところに筍がこんなにながく(再録)・あひゞきの朝風の薊の花がちります・酔ざめはくちなしの花のあまりあざやか六月十三日六月十四日身心も梅雨季だ...
種田山頭火 「其中日記」
...何故(なぜ)というに崖には野笹や芒(すすき)に交(まじ)って薊(あざみ)...
永井荷風 「日和下駄」
...「薊(あざみ)の三之助は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四隅(よすみ)に花壇(かだん)があって、ゆすらうめ、鉄線蓮(てっせんれん)、おんじ、薊(あざみ)、ルピナス、躑躅(つつじ)、いちはつ、などのようなものが植えてあった...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...サワアザミに右のようにかつて我が本草学者があてている鶏項草(ケイコウソウ)は宋の蘇頌(そしょう)の著わした『図経本草(ずきょうほんぞう)』から出た薊の一名であるが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...やつと薊の外に出で來りぬ...
正岡子規 「花枕」
...脚を刺す浜薊(はまあざみ)や燈心草から...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...紫雲英(げんげ)と薊とこの花とを以て...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...『だいじょぶかえ、芳さん』お可久が川をのぞいていうと、薊は、自信のある声でいった...
吉川英治 「魚紋」
...この薊州(けいしゅう)の治安はおれの手で守られていながら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...薊州の男が一匹すたる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あやめさくとはしほらしやといふその花は極めて稀にしか見えないが堤の青草の蔭には薊(あざみ)の花がいつぱいだ...
若山牧水 「水郷めぐり」
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