...薊(あざみ)や除虫菊の咲いた中に...
芥川龍之介 「長江游記」
...薊は早速(さっそく)その晩やって来た...
伊藤左千夫 「春の潮」
...そうして薊に盃(さかずき)をさす...
伊藤左千夫 「春の潮」
...子の我儘(わがまま)をとおすことは……」薊の顔は見る見る変ってきた...
伊藤左千夫 「春の潮」
...とんだお邪魔をしました」薊は身を飜(ひるがえ)して降り口へ出る...
伊藤左千夫 「春の潮」
...薊はちょっと中戻(ちゅうもど)りしたが...
伊藤左千夫 「春の潮」
...薊はその針で度々私の掌面を刺しました...
薄田泣菫 「草の親しみ」
...・朝戸あけるより親燕・こゝもそこもどくだみの花ざかり・水田たゝへようとするかきつばたのかげ・梅雨晴れの山がちゞまり青田がかさなり・つゝましくこゝにも咲いてげんのしようこ□・お寺まで一すぢのみち踏みしめた・うまい水の流れるところ花うつぎ・山薊いちりんの風がでた・水のほとり石をつみかさねては(賽の河原)霽れて暑い石仏ならんでおはす夏草おしわけてくるバスで昨日も今日もまたサケナシデー...
種田山頭火 「行乞記」
...柊(ひいらぎ)や蕁麻(いらぐさ)や山査子(さんざし)や野薔薇(のばら)や薊(あざみ)や気短かな茨(いばら)などと戦わなければならなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...土手には一ぱい触(さわ)れば手足も脹(は)れ痛む鬼薊(おにあざみ)が茂っています...
永井荷風 「監獄署の裏」
...百舌(もず)の贅(にへ)のやうに引つ掛つて死んだ薊(あざみ)の三之助の下手人は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薊(あざみ)の花が叢(くさむら)のように咲いていた...
林芙美子 「魚の序文」
...狂言は黙阿弥(もくあみ)の『小袖曽我薊色縫(こそでそがあざみのいろぬい)』で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...紫雲英(げんげ)と薊とこの花とを以て...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...山面を遠くから雲のやうに白く棚曳き降りて來た獨活(うど)の花の大群生が、湖面にまで雪崩れ込んでゐる裾を、黄白の野菊や萩、肉色の虎杖(いたどり)の花、女郎花と、それに混じた淡紫の一群の花の、うるひ、薊(あざみ)、龍膽、とりかぶと、みやまおだまき、しきんからまつ、――道はだんだん丈なす花のトンネルに變つて來る...
横光利一 「榛名」
...薊(あざみ)と綽名(あだな)のある遊び人の芳五郎(よしごろう)だった...
吉川英治 「魚紋」
...跳びかかって、薊は、彼の両手を縛り上げた...
吉川英治 「魚紋」
...私は……』『罪ほろぼしと思ってよ』薊は...
吉川英治 「魚紋」
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