...薄陽(うすび)...
谷譲次 「踊る地平線」
...十二月の初旬のころでところどころ薄陽(うすび)の射(さ)している陰気な空から...
近松秋江 「狂乱」
...晝の薄陽の中に大きな野良犬が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...春の薄陽の巷に消えて行きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...午後(ひるすぎ)の薄陽の射してる内から...
羽志主水 「越後獅子」
...やつと四囲に薄陽(うすび)が射(さ)し始め...
林芙美子 「浮雲」
...薄陽の射した板塀...
林芙美子 「新版 放浪記」
...裏町の黄色い空にのこぎりの目立ての音がしている売春の町にほのめく桜 二月の桜水族館の水に浮く金魚色の女の写真牛太郎が蒲団を乾しているはるばると思いをめぐらした薄陽に二階の窓々に鏡が光る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...雨雲の間からぼんやり秋の薄陽が洩(も)れて来るようなしんねりとした微笑が...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...低く垂れさがった雨雲の間から薄陽(うすび)がもれはじめ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ちょっとさしかけた薄陽は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...高腕を組んで薄陽を流す内港(プール)の風景を漠然と眺めやった...
久生十蘭 「ノア」
...雲が切れて薄陽がさしはじめた...
久生十蘭 「ノア」
...青銅の鶴は水に濡れた羽交をキラキラと薄陽に光らせ...
久生十蘭 「魔都」
...昭和十二年一月一月一日(金曜)雨かと思はれた天気も先づ元旦の薄陽ざし...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...隅田川に薄陽(うすび)を落した夕靄(もや)をかすめて逃げて行く...
吉川英治 「江戸三国志」
...薄陽の残る御隠殿(ごいんでん)の森の暮色へと吸いこまれてゆく...
吉川英治 「江戸三国志」
...ひんやりと薄陽のあたっている障子には...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??