...薄汚れた紅(もみ)の切(きれ)が忘れてある...
泉鏡花 「婦系図」
...薄汚れた一枚の座布団(ざぶとん)を敷いて...
海野十三 「空襲葬送曲」
...薄汚れたエプロンの前で小さい両手をパチパチと叩きあわせた...
海野十三 「深夜の市長」
...薄汚れた小倉の水兵服を着て...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...代って壇に立った小栗緑太郎は、まだ三十二三の青年で、近頃新鮮な作物を矢継早(やつぎばや)に発表して、世の中から注目されて居りますが、見たところまことに地味な男で、薄汚れた背広も、フケ沢山(たくさん)の長い毛も、何となく真珠色の光の漲るこの席上には不似合な風体(ふうてい)ですが、顔形(かおかた)ちはさすがに聡明らしく、話の調子もテンポの遅い、極めて感銘の深いものでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...中は薄汚れた袷や小物で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄汚れたござの上に腰をおろしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十年前まで、それは、眼ばかり大きくて、青黒く薄汚れた、唯の小娘だつた筈です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十年前まで、それは、眼ばかり大きくて、青黒く薄汚れた、唯の小娘だった筈です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...帽子もかぶらない薄汚れた男が...
林芙美子 「新版 放浪記」
...両親は……」薄汚れた男が...
林芙美子 「新版 放浪記」
...薄汚れたチョッキや太くて縮み上がったモスリンの胸飾りも...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...僅かにそのかぶってしまった薄汚れた掻巻が...
正岡容 「小説 圓朝」
...暮れ方の薄汚れた三味線堀のふちに立ってボンヤリ水の面(おもて)を眺めていたとき...
正岡容 「寄席」
...大名縞の薄汚れた袷を着て...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...薄汚れた電球が灯(とも)りました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...やがて薄汚れた窓硝子(がらす)の中を...
夢野久作 「一足お先に」
...薄汚れたメリンスの袂やらお太鼓結びの帯になった身なりは...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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