...朝の薄明が心地よい...
...彼女は夜中の薄明に家に帰ってきた...
...薄明から明るくなるまでの時間帯を「薄明」っていうんだよ...
...この世とあの世の境目、つまり薄明の世界に潜む妖怪たち...
...私たちは薄明の中、明日につながる会議のための準備をしていた...
...私はまだ火をともさない店先の薄明りで...
芥川龍之介 「疑惑」
...寧ろ淫惑な歓楽の為にわざと作られた薄明りの如く思はれる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...更に薄明は我が想像に活動の餘地...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...薄明の中に見え隱れする背景がなければならぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...つやは薄明りにすかしすかし読みにくそうに文字を拾った...
有島武郎 「或る女」
...その刹那に新しい價値の世界の薄明が...
薄田泣菫 「久米の仙人」
...傘とレイン・コウトの倫敦(ロンドン)に名物の薄明が覆いかぶさる...
谷譲次 「踊る地平線」
...外にはまだ暮れ悩んだ薄明るみが湛(たた)えていて...
豊島与志雄 「少年の死」
...戦争と呼ばるる薄明りが産み出す各種の蝙蝠...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...浮雲の引幕(ひきまく)から屈折して落ちて来る薄明(うすあかる)い光線は黄昏(たそがれ)の如く軟(やわらか)いので...
永井荷風 「監獄署の裏」
...薄明りの中に奥まで見通しのきく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...丘の下には焼け焦げた五つの屍体……洞穴の薄明の中には横死をとげた不幸な魂……巻煙草を出して火をつけ...
久生十蘭 「海豹島」
...薄明は刻々闇黒に変ろうとして...
牧逸馬 「双面獣」
...俺は見た痛手を負へる一頭の野鹿がオリオーンの槍に追はれて薄明(うすあけ)の山頂(みね)を走れるを――あゝ されど古人(いにしへびと)の嘆きのまゝに影の猟人なり影の野獣なり日照りつゞきで小川の水嵩が――その夕暮時に...
牧野信一 「バラルダ物語」
...あたりはまだ薄明るかつた...
正宗白鳥 「幼少の思ひ出」
...東洋人の世界は薄明の世界である...
三木清 「人生論ノート」
...此頃(このごろ)の六月の夜(よ)の薄明りの...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
...あたりは薄明りの下に沈んだ港のような和かな色を見せていた...
横光利一 「旅愁」
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