...薄弱な拠り処では...
伊藤野枝 「転機」
...讀者が自分の感覺をこれまで信用した根據がいかに薄弱なものであるか...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...極めて薄弱な肯定であり...
戸坂潤 「辞典」
...然し薄弱なる人の心は忽ちに變化する...
長塚節 「開業醫」
...馬車に乘らうとしたのが自分の心を其時薄弱なものにして畢つたのだ...
長塚節 「教師」
...犬の身に起った不幸な出来事は薄弱な太十の心を掻き乱して畢った...
長塚節 「太十と其犬」
...極めて薄弱なる論據及び推理の上に立つてゐるであらうが...
波多野精一 「時と永遠」
...顱頂骨は特に薄弱なれども...
久生十蘭 「泡沫の記」
...代言流義に行けば誠に薄弱な殆(ほと)んど無証拠と云(いっ)ても宜(い)い位...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...お話にならないほど薄弱な文句ではあるが...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...何にせよ一つの団体がある以上は何か事業でも起さねば甚(はなは)だ薄弱な会合になつてしまふやうな傾きはあるが...
正岡子規 「病牀六尺」
...俗悪な家常茶飯および薄弱な粗大な軽蔑すべき...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...何か薄弱な、意識せざる抗弁的にきこえたというのは、その程度をぬけている心持にとってさもありなんと思われ、いくらか情けなくもきけたでしょうし(そのわからなさ、わからないという状態が語っている弱さ低さ)、そういう点でも、随分忍耐をもっていて下すったわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...薄弱な男をつかんではなさず良人にしたてる若い女の骨折りはきつくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...結局彼らの証拠の薄弱なことをはっきりと示している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...異性的魅惑力の最も薄弱なる母親によって与えられたるものなりしため...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...局外者の眼から見るとチョット根拠の薄弱な...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...わが河北の軍兵をさまで薄弱なものとあなどるか」袁紹は怒って田豊を斬ろうとまでしたが...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索