...これに乗じ些細の口実を以て防備薄弱なりしシュレージエンに侵入した...
石原莞爾 「戦争史大観」
...いとど薄弱なる議論を益々力弱くさせて世間の軽侮を招くようになった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...何でも薄弱なる所に暴力を用いて圧迫したところが...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...薄弱な知力向きのものばかりを読むことをまなんだ人間の無学さとのあいだに別にはっきりした区別を立てていないことを告白する...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そんな薄弱な理由で洋裁を習いたがったり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...読者が自分の感覚をこれまで信用した根拠がいかに薄弱なものであるか...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...そうして付け焼き刃の文明に陶酔した人間はもうすっかり天然の支配に成功したとのみ思い上がって所きらわず薄弱な家を立て連ね...
寺田寅彦 「天災と国防」
...道理の勢力薄弱なるそれいまだ今日よりはなはだしきものあるか...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...段々と客観的な認識を歪曲させて行くということは性格の薄弱な者や...
戸坂潤 「読書法」
...ああわが邦人の美術文学に対する鑑識の極めて狭小薄弱なる一度(ひとた)び新来の珍奇に逢著(ほうちゃく)すれば世を挙げて靡然(びぜん)としてこれに赴(おもむ)き...
永井荷風 「江戸芸術論」
...然し私の心は一方に非常な薄弱なものでありますが...
長塚節 「教師」
...もし薄弱なる背景があるだけならば...
夏目漱石 「模倣と独立」
...ところが一方の意志が薄弱なるときは...
新渡戸稲造 「自警録」
...そんなことがあったそうだという程度の薄弱な認識ぶりだった...
久生十蘭 「ハムレット」
...愛に対する自信が薄弱なのです...
宮本百合子 「偶感一語」
...これほど薄弱な防禦(ぼうぎょ)もないわけなのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかしいい品と見做(みな)すその根拠が大概の場合実に薄弱なのです...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...異性的魅惑力の最も薄弱なる母親によって与えられたるものなりしため...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
便利!手書き漢字入力検索