...無際限の世界が唯モウ薄光の射した淡紅色(ときいろ)の世界で...
石川啄木 「菊池君」
...わづかに水を撒(ま)いた許りの薄光(うすひかり)が聲もなく動いて居る...
石川啄木 「葬列」
...白い薄光が彼の網膜にぼんやりひろがって来た...
梅崎春生 「日の果て」
...曇空から降りそそぐ薄光り...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...空だけが銀の薄光を放っていた...
鷹野つぎ 「窓」
...内部にあるほどのものはすべて灰色の星明りの中に異様な薄光りを放っていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...黒(こく)ずんだ帆が薄光りに光る川面を下って来るのに気がついた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...街燈に薄光るあの枯芝生の斜面に身を委せよう...
富永太郎 「秋の悲歎」
...薄光りのするくろい海の面を眺めていた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...薄光りのする夜の海を眺めながら...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...薄光にてらしてみると...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...壁の上の四角な月影が古鏡の面のように薄光りしている...
久生十蘭 「魔都」
...薄光る路面電車のレールが...
久生十蘭 「魔都」
...竜巻山の空のあたりには星雲(アンドロメダ)の薄光がゆらめいてゐた...
牧野信一 「夜見の巻」
...窓を洩れてくる薄光が...
松本泰 「日蔭の街」
...テラリと薄光りした小山のような腰の前でいっぺんに空っぽになり...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...少しも暖たかさのない薄光りをうけて...
山本周五郎 「ちゃん」
...ほんのりと薄光をたゝへて...
吉江喬松 「山岳美觀」
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