...手を反へした樣に此頃其の感じが薄らいで...
有島武郎 「半日」
...たとへば五月雨の雲薄らぎつゝ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...渠が歌よみとしての努力が薄らぎ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...賊の方の心配が薄らぐと...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...絶えて久しくすべて羨望の情が薄らいだ...
竹久夢二 「砂がき」
...「薄らぐじゃろう...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...これが髷の線の余波として見た時に奇怪な感じは薄らいでただ美しい節奏を感じさせる...
寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
...生酔いの本性を失わぬ薄ら笑いであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...何だか急に薄ら寒い気持になった...
豊島与志雄 「野ざらし」
...彼女は薄ら笑いに似た影を口元に湛えながら...
豊島与志雄 「反抗」
...夜燈の薄ら明りの中に眼を見開き...
豊島与志雄 「無法者」
...まるで幻灯のやうに薄ら蒼く光つて居ります...
牧野信一 「青白き公園」
...薄ら笑ひを浮べながら呟いた...
牧野信一 「熱い風」
...一年一年と薄らいで遂(つい)に消え去ってしもうた...
正岡子規 「病牀苦語」
...次第に人通が薄らぐので...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...僕の経験で見ると死んだ当時の表情はだんだん薄らいで...
夢野久作 「二重心臓」
...落ちかける薄ら陽の林から舞いとぶ落葉が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...粂八(くめはち)の鷺娘の印象が決して自分の心に薄らがないのを感ずる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索