...しかし幸いにも頭痛だけはいつの間にか薄らいでいた...
芥川竜之介 「歯車」
...これに音楽を持ち込むと多くの場合叙情的になつて作者の色彩を薄らげてしまう...
伊丹万作 「映画と音楽」
...信仰とやらも少し薄らいでまいったのでございましょうか...
太宰治 「葉桜と魔笛」
...喬生の恐怖もやや薄らいできた...
田中貢太郎 「牡丹燈記」
...秋の末のような薄ら寒い気候が農作に肝腎な夏の盛りのすべてを占めた...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...熱去り苦痛薄らぎ食欲復するとともに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...車内の電燈の光が少し薄らいで...
豊島与志雄 「小説中の女」
...潮の引くようにすーっと薄らいでいって...
豊島与志雄 「白血球」
...もうすっかり薄らいでいた...
豊島与志雄 「窓にさす影」
...けれどもそれは言葉につくし難い薄ら明りに包まれて穏かだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...放蕩の蟲は玉蟲そつと來て心の底で泣く蟲夜としなればすずろにもリキユールグラスの端(へり)を這ふ蟲放蕩の蟲はいとほしや放蕩の蟲は玉蟲青いこころでひんやりと色街の薄らあかりに鳴く蟲三味線の撥(ばち)にきて光る蟲放蕩の蟲はせんなや...
萩原朔太郎 「放蕩の蟲」
...夫に言われました」スミス氏が薄ら笑い...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...夢心地で薄ら冷い晩春の空を仰いだ...
牧野信一 「山を越えて」
...いつもどおり薄らさむくしーんとしている...
宮本百合子 「刻々」
...トクガワ時代からこのお寺に伝った木魚だそうよちかごろでは私の腰もめったに痛まないけど時々ズキズキする朝があってもあの木魚の音とお父さんのお経を聞いていると痛みが少しづつ薄らいで行くのですポクポク...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...次第次第に因縁も薄らぎ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「…………」夕方の薄ら陽が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...やがてその黒木の山に薄らかに雲が出て来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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