...薄ら寒そうにちゃんと坐った...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...甲野は薄ら寒い静かさの中にじっと玄鶴を見守ったまま...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...「その悲しみが薄らいだ時...
芥川龍之介 「捨児」
...手を反へした樣に此頃其の感じが薄らいで...
有島武郎 「半日」
...窓から薄ら日が硝子(ガラス)を通して射し...
梅崎春生 「風宴」
...お銀はひとしきり苦々(にがにが)していた腹の痛みも薄らいで来ると...
徳田秋声 「黴」
...君は淡く薄らいでいくことか...
豊島与志雄 「情意の干満」
...遠くへ薄らいでいた...
豊島与志雄 「立枯れ」
...カロリン諸島は東へ行くにつれて色の黒さが薄らいでくるように思われる)子供らが争って前に出て来ては...
中島敦 「環礁」
...カロリン諸島は東へ行くにつれて色の黒さが薄らいでくるやうに思はれる)子供等が爭つて前に出て來ては...
中島敦 「環礁」
...黄昏(たそがれ)とも夜明けともつかぬ薄ら明るい北方の夜半の景色をぼんやりと眺めていた...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...まるで幻灯のやうに薄ら蒼く光つて居ります...
牧野信一 「青白き公園」
...そして何となく薄ら寒くさつぱりとしてゐる...
牧野信一 「会話一片」
...薄ら甘い涙みたいな感じで...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...一年一年と薄らいで遂(つい)に消え去ってしもうた...
正岡子規 「病牀苦語」
...たとい興味は薄らいでも真実味はきっと深まったに違いなかったろうに」という後悔をその後二三度繰り返したように思います...
夢野久作 「所感」
...御方も早や三十路(みそじ)に近い色香の薄らぎ...
吉川英治 「剣難女難」
...仏像や菩薩像に親しむにつれて薄らいで行き...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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