...はきはきと物慣れてはいるが、浮薄でもなく、わかるところは気持ちよくわかる質(たち)らしかった...
有島武郎 「親子」
...このごろは軽薄である...
太宰治 「桜桃」
...その創作集の中でも、最も軽薄で、しかも一ばん作者に愛されている作品は、すなわち、冒頭に於(お)いて述べた入江新之助氏の遺家族から暗示を得たところの短篇小説であるというわけなのである...
太宰治 「ろまん燈籠」
...どうも少し感じが稀薄でないかといふやうな気がした...
田山録弥 「三月の創作」
...浅薄でもあることを恥じ入る次第である...
辻潤 「ふもれすく」
...将来日本でほんとうに世界的な映画の作られる見込みもまたはなはだ希薄であろうと思われるのである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...それが稀薄であるために...
戸坂潤 「技術の哲学」
...作品も稀薄であらうし又諸々の議論も稀薄にならざるを得まい...
中原中也 「近頃芸術の不振を論ず」
...彼等の下卑で、淺薄で、迷信が強くて、無邪氣で、狡猾で、無欲で、強欲で、殆んど余等(今の文壇の作家を悉く含む)の想像にさへ上りがたい所を、あり/\と眼に映るやうに描寫したのが「土」である...
夏目漱石 「「土」に就て」
...何かの意味で保険の付いていない人にのみ酷薄であった債権者は直ちに彼の門に逼(せま)った...
夏目漱石 「道草」
...輕薄で嘘(うそ)つきで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...浅薄でなくてしかも何とも思わん人もある...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...希薄である...
水野仙子 「脱殼」
...あの人は軽薄で、嘘つきで、浮気者で、信用のない兵六玉(ひょうろくだま)よ...
森本薫 「華々しき一族」
...更に進んでは法王を頭にいただくキリスト教国民の風儀が異教徒のそれにまさるとも劣らないほど残忍酷薄であることに対する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...感覚的な止揚性を持つまでには清少納言の官能はあまりに質薄で薄弱で厚みがない...
横光利一 「新感覚論」
...口が達者なほど心は決して軽薄でない...
吉川英治 「新書太閤記」
...「裏庭の木戸が手薄ですから...
吉川英治 「八寒道中」
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