...けれども薄い島の影は依然として薄いばかりである...
芥川龍之介 「不思議な島」
...これは石炭酸の薄い溶液を入れた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...むしろ何か極めて薄い膜を根気よく張り重ねてこしらえた不規則な形の箱のような感じがした...
伊丹万作 「映画と癩の問題」
...彼の医学への影響ガレノスは厚いのや薄いのや500以上の参考書を書いた...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...光沢のある薄い堅靱(けんじん)なものであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...時々思い出したように薄い日影がさした...
田山花袋 「田舎教師」
...父親は櫛(くし)など薄い紙に包(くる)んで来て...
徳田秋声 「足迹」
...日がいつかぼんやりとなつて薄い雲を透して見えながら雨がはら/\と落ちて来た...
長塚節 「隣室の客」
...個々の微粒子の表面に炭酸瓦斯の分子が極めて薄い層となって吸着されるのである...
中谷宇吉郎 「霜柱と白粉の話」
...二人の間(あいだ)にいつの間(ま)にかかけられた薄い幕を...
夏目漱石 「明暗」
...卑屈な薄笑ひが薄い唇の上に殘つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小さな窓が一つ空いてゐて其処からの光りが僅に薄い光線を投げてゐる...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...そして持って来た薄い着物を寝床の中へ入れて寝た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そこに薄い布團にくるまつた小さなからだが...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...セナカアテと称して薄い平たいものを作り...
柳田国男 「木綿以前の事」
...極く薄い絹地の目を拾いつつ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...薄い残月があった...
吉川英治 「新書太閤記」
...その印象はすこぶる薄いもので...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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