...どちらも薄い苔(こけ)の生えた石の色に近い水鳥だった...
芥川龍之介 「年末の一日」
...薄い唇をキューッとまげて...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...しかしそれは大変に薄いもので...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...そうしてこんな淡い薄い風景の悲しさに気がつかず...
太宰治 「帰去来」
...」小菅は薄い下唇を前へ突きだした...
太宰治 「道化の華」
...ただ一本立の歌に対する興味はどうしても薄いようであります...
寺田寅彦 「書簡(※[#ローマ数字2、1-13-22])」
...身体は薄いが、心は中々見透かし難かった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...薄い片頬(かたほ)に笑(えみ)を見せる...
夏目漱石 「虞美人草」
...十六武蔵(じゅうろくむさし)ぐらいの大きさの薄い円盤を作って...
夏目漱石 「三四郎」
...上海から薄い同人雑誌を送ってよこしていました...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...これは一つには学生諸氏の英語の読書力の薄いのに依るのであらうけれど...
平田禿木 「趣味としての読書」
...彼の薄い皺のやうな感じが漂うてゐる煤色の顔や...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...そこを去りヒョイとその一方から今腰かけたところを望んだら私の腰かけた所が薄い岩のふちだったのでゾッとした...
牧野富太郎 「若き日の思い出」
...柿は肉の色がすこし薄い...
正岡子規 「くだもの」
...柔かにグレーの色と薄いタイシャっぽい色...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あんないい薄い毛のものは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...喜劇でも悲劇でもお望み次第に実演させて見せる……」「でもねえ先生……」女将の横に居る肥(ふと)っちょの一番肉感的な女が、細長い眉を昂(あ)げて、薄い唇を飜した...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...眼尻から顳(こめかみ)にかけての薄い皮膚がぴくぴくと顫(ふる)え...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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