...二人の時だけに見せる淫蕩(いんとう)な笑いを顔一杯に浮べていた...
海野十三 「白蛇の死」
...やうやく放蕩息子の境から脱して...
田山録弥 「エンジンの響」
...遊蕩文学の議論には別に意義といふほどの意義もないが...
田山録弥 「脱却の工夫」
...コニャクを飲んだり放蕩なまねをするだけの...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...大砲だ! こういう奴らを掃蕩(そうとう)してくれ!……君らはいったい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もう淫蕩の淵に沈んでしまう』というのは...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...放蕩児(ほうたうじ)の姿も王侯の如くに気高(けだか)く相成り候...
永井荷風 「夜あるき」
...ばったり放蕩(ほうとう)がやんで...
中里介山 「大菩薩峠」
...春はいつしか私の心を蕩揺(とうよう)し始めたのである...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...下劣な女蕩し(セジュクトウル)のやり口だとしか思われない...
久生十蘭 「キャラコさん」
...永らくの荒んだ淫蕩生活で...
久生十蘭 「魔都」
...私達のまはりに遊蕩に疲労したらしい二三人の男が二三本の徳利がならんでゐる食卓の傍らで大鼾きをあげてゐた...
牧野信一 「疑惑の城」
...その山を赭にしその海を蕩(とう)し...
南方熊楠 「十二支考」
...蕩児(たうじ)とならんとせり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...淫風蕩々たるものがあったことは史実の証明するところである...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...私はなにも私の放蕩流連をきわめた若い日を恋わんがために紅梅を欲しがっていたわけではないが...
吉川英治 「紅梅の客」
...一人も余さず君側から掃蕩してしまえ」と...
吉川英治 「三国志」
...会えばすぐ遊蕩(ゆうとう)を考える...
吉川英治 「平の将門」
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