...空霊澹蕩(くうれいたんとう)の古趣が自(おのずか)ら漲(みなぎ)っているような画なのです...
芥川龍之介 「秋山図」
...彼は超人を生まむが爲に放蕩と自己耽溺とその他種々なる人間性を否定した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...此石塔の代償を以て放蕩をやる...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...由子は結婚以来殆ど楽しい思ひをしたことがないほど小谷の放蕩に悩まされた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...虚弱で瘰癧やみで淫蕩な種族の絶滅を欲するなら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ただ厚顔無恥の放蕩者で...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...この四五年の良人(おっと)の放蕩(ほうとう)で...
徳田秋声 「あらくれ」
...平然として遊蕩に耽っているのである...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...若い門人たちは自(おのずか)ら誘い出される淫蕩(いんとう)な空想にもつかれ果てたのか...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...古人ト言語シテ以テ胸間ノ汚穢(おえ)ヲ蕩除スベシ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのいずれかの翻蕩(ほんとう)の中に生きているようなものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...その理念を蕩揺させてみるべきだといふこと...
中原中也 「新短歌に就いて」
...当時の淫蕩(いんとう)浮華(ふか)なる風俗の進歩をさえぎったから...
新渡戸稲造 「自警録」
...そんな荒くれた遊蕩を嫌つて...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...其放蕩と勉強とは同時に許さるべからざるは勿論なり...
正岡子規 「読書弁」
...養父独美が視(み)ること尋常蕩子(とうし)の如くにして...
森鴎外 「渋江抽斎」
...いったいこれが放蕩といえるでしょうか」七十郎はすばやく十左の顔を見た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...圖太く本能のままに放蕩出來る者達の性格が溌溂として強く綺麗なものに見えて來た...
横光利一 「悲しみの代價」
便利!手書き漢字入力検索