...匂(にほひ)はげしき空焚(そらだき)の薫(くん)じたるわが打掛の花の蕚(うてな)のもなかより...
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 「エロディヤッド」
...蕚(うてな)にぬれる蘂の粉が花なき今も香を吹きて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...しろがね色の花蕚(はなぶさ)に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...焚(た)きしむる花(はな)の蕚(うてな)は...
薄田淳介 「白羊宮」
...「これは緑蕚夫人(りょくがくふじん)から戴いた物でございます」彭はそれを飲みながら不思議な周囲(まわり)にその眼を向けた...
田中貢太郎 「荷花公主」
...幼稚(いとけな)い蕚(はなぶさ)の裡(うち)に毒(どく)も宿(よど)れば藥力(やくりき)もある...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...一つの白い花が蕚(がく)のまゝ音もせずに落ちた...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...蕚(うてな)傾けて舟を通したるあとには...
夏目漱石 「薤露行」
...これをささえる蕚(がく)の根本の力が足りないということだ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...より強い蕚にはより重い果実がよりよく熟しつづけるものである...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...花がすむと堅き粒状の小実を宿存蕚の中心に結び平滑で遂に真珠色を呈するに至るが...
牧野富太郎 「植物記」
...雄本は梢の枝上に花穂を成し黄緑色五蕚片の小花は下に向いて開き五雄蕊が下がって黄色の花粉を風の吹くままに飛散する...
牧野富太郎 「植物記」
...蕚片と花弁とはその境界が判然しません...
牧野富太郎 「植物記」
...外部の四片は勿論(もちろん)蕚片であり...
牧野富太郎 「植物記」
...蕚片は花弁より短くかつ早く散落します...
牧野富太郎 「植物記」
...あえて蕚もなければ花弁もない...
牧野富太郎 「植物記」
...右の穎と※と鱗被とこの三つは共にいわゆる苞であってそれが普通の花の蕚弁の役目を勤めていると思えばよい...
牧野富太郎 「植物記」
...さも息苦しげに蕚から煙を吐いていた...
横光利一 「旅愁」
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