...斜めにピアノを蔽つてゐた...
芥川龍之介 「ピアノ」
...雲は海を蔽う衣であり黒暗はこれを包む襁褓であるとは...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...あとは又元のように密雲(みつうん)に蔽われてしまう筈である...
海野十三 「空中墳墓」
...その日蔽いの下にあたる舗石の上に...
海野十三 「心臓盗難」
...念入りに遮蔽(しゃへい)してあるキャプタイヤコードの匐(は)いまわり方へいちいち目をそそいだ...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...半ば山蔦(やまづた)に蔽はれた古い上射水車は...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...いつもの華やかな美しさも蔽われ...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...船体を蔽つてあつた帆布をめくりとる...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それはいいがその隣にガラスの蔽蓋(おおいぶた)をして西洋向きの日本書を並べたのがある...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...亂射の中にネストール生める愛兒を蔽ひ守(も)る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...たといこの規定が学問性全体を蔽うのでなくても...
戸坂潤 「科学方法論」
...すでに蔽うことの出来ない感触だ)...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...メリヤスの肌衣を着すと雖両腕を蔽わず猿股一つに辛くも陰部を蔽うのみ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...死の灰で蔽(おお)ってしまうから...
久生十蘭 「あなたも私も」
...城内の庭木に蔽(おお)われた狭い一室にさし対(むか)っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...両手で顔を蔽(おお)うてさけんだ...
吉川英治 「親鸞」
...もう一面な低い雲に蔽(おお)われて...
吉川英治 「源頼朝」
...彼女のうえに蔽いかぶさっている花ざかりの林檎のぎっしり茂った枝ごしに...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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