...蔽(おお)わりかかって取り囲んだ...
泉鏡花 「海異記」
...宇宙線の遮蔽!」聴き手の学者たちは...
海野十三 「海底大陸」
...地帯一帯を蔽う、くぬぎ林は、ハヤシの如くしずまりかえっているし、はき溜(だめ)を置いてあるでなし、ドブ板があるでなし、リーヤ・カーが置きっ放しになっているではなし、ましてやネオンサインも看板もない...
海野十三 「第四次元の男」
...この全体を純白なる穹窿(アーチ)形の大理石にて蔽(おお)うたものであります...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...崖の上からは楓(かえで)と松が参差(しんし)と枝をさしかわしながら滝の面へ蔽(おゝ)いかぶさっているのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...謬説世を誤り訛伝(かでん)真を蔽ひ炯眼の士なほかつ之が弁別に苦(くるし)む...
津田左右吉 「史論の流行」
...その上には巨杉に蔽われた城山の真暗なシルエットが銀砂を散らした星空に高く聳えていたのである...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...之をなるべく隠蔽するのでなければ...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...それが一緒に集って頭の上に重苦しいものを蔽い被せるようです...
豊島与志雄 「囚われ」
...おのれに利なきことは之を隱蔽せんとす...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...赤茶けた栗色の髪に蔽われた大きな丸い頭を前へかしげながらすこしはなれた庭先の天幕の中へ入って行った...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...靄は地上二尺ほどのところをいちめんに蔽(おお)い...
山本周五郎 「橋の下」
...耳を蔽い胸を抑える気持ちで石垣の裾の坂路を下ると...
横光利一 「旅愁」
...恐怖はたちまち全軍を蔽(おお)った...
吉川英治 「三国志」
...それを青布の幕ですっかり蔽(おお)って...
吉川英治 「三国志」
...兄高氏にも蔽(おお)いえないものが今日はみえるが...
吉川英治 「私本太平記」
...世を蔽(おお)う時雲急潮は...
吉川英治 「新書太閤記」
...攻めあぐねた疲れの来ていたことも蔽い得ない...
吉川英治 「日本名婦伝」
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