...日を蔽う如くさしかざすと...
芥川龍之介 「邪宗門」
...肉体の為めに蔽われて...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...単にその傷を醜く蔽(おお)う繃帯(ほうたい)にすらあたらぬことを知るだろう)...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...床上が一面の火焔でもって蔽われた...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...大まかに言えば、「ファシズム」という言葉によって、何か冷酷で、不実で、傲慢なものを、何かを隠蔽し、自由と労働者階級に敵対するものを表しているのだ...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「ファシズムとは何か」
...彼女の上を蔽った...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...秋も稍更けて北西の季節風が次第に卓越して來ると本州中部は常に高氣壓に蔽はれて空氣は次第に乾燥して來る...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...目は暗黒の夜の中に蔽はれさりて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...形式的原理によって事物の現実的・内容的・原理を蔽おうとするこの最も頻繁なる虚偽は...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...この陵の一失(いっしつ)を取上げてこれを誇大歪曲(わいきょく)しもって上(しょう)の聡明を蔽(おお)おうとしているのは...
中島敦 「李陵」
...初夏の朝陽に蔽(おほ)ふところなく照らし出されて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...頭髪の薄くなりしこと蔽ふべくもなく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...いかなる手段によっても「置毒」のことは隠蔽しなければならない...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...面を蔽って泣いた...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...…………山も…………海も…………森も…………家も…………道路も……………………そこいらから見上げている人間たちも…………★その中にただ一つ残る白い光…………彼女の額と鼻すじがもうすこしで…………黒い刃(やいば)の蔭に蔽われそうになった...
夢野久作 「月蝕」
...草(くさ)に蔽(おほ)はれた丘(をか)の坂(スロープ)が交錯(かうさく)し合つて穏(おだや)かな幕(まく)のやうに流れてゐた...
横光利一 「美しい家」
...通りに臨んだ三階の明るい窓硝子(がらす)に日蔽(ひおひ)を下(おろ)して...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...わが顔を蔽(おお)ってしまった...
吉川英治 「源頼朝」
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