...笹の葉に蔽はれぬ...
泉鏡花 「紫陽花」
...日蔽(ひおおい)に隠れし処へ...
泉鏡花 「活人形」
...処々夏草の茂りに蔽(おお)われたのに...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...その日蔽いの下にあたる舗石の上に...
海野十三 「心臓盗難」
...「神自らが、この蔽いを、脱(ぬ)がせ給うまでは、決して、人間の浄(きよ)からぬ罪の手で、取り去ってはならぬ」と...
高神覚昇 「般若心経講義」
...蜒蜿として湖西の天を蔽ふて聳えてゐる比良岳がその雄大なる山容の全幅を雙眸の中に展開して來た...
近松秋江 「湖光島影」
...即ち歴史の現実的概念に眼を蔽い況して積極的に之を排除することは...
戸坂潤 「科学方法論」
...反つて過を蔽ひ非を飾りて侯の訓戒を無視せむとするは又何の醜ぞ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...例へば雷門(かみなりもん)の大挑灯(おおちょうちん)を以て勢(いきおい)好(よ)く画面の全部を蔽(おお)はしめ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...繋(つな)ぎ合せて肩を蔽(おお)える鋼鉄(はがね)の延板の...
夏目漱石 「幻影の盾」
...帽子の耳蔽のなかで呼気(こき)が凍って氷殻ができ...
久生十蘭 「新西遊記」
...その間にザラメ雪に蔽われた切通しらしいものが見える...
久生十蘭 「新西遊記」
...山のような貨物や砲車を秘密っぽくカンヴァスで蔽い隠したトラックや...
久生十蘭 「だいこん」
...まるで乱暴に塗りつぶされた下手な絵の背景みたいにぼうっと霧に蔽われてしまった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...彼の口を蔽(おお)いながら言った...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...まだお日様を蔽(おお)いかくすまでにはなっていませんでした...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...蔽重(おつかさ)なツた雲(くも)の間(あひだ)から突然(とつぜん)日の光(ひかり)が映(さ)したやうに...
三島霜川 「虚弱」
...その木の梢に蔽(おお)いかかりたり...
柳田国男 「遠野物語」
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