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種田山頭火 「行乞記」
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種田山頭火 「行乞記」
...・朝日まぶしく組み合つてゐる(道場即時)・ほがらかにして草の上(草上饗宴)よい家があるその壁の蔦紅葉蓬むしれば昔なつかし水はたゝへてわが影うつる(水源地風景)・をり/\羽ばたく水鳥の水( 〃 )・水を前に墓一つ好きな山路でころりと寝る・そよいでるその葉が赤い小皿...
種田山頭火 「行乞記」
...・こゝに枯れたるこの木の冬となる(庵の枇杷樹)・大根漬けてから長い手紙を書く・ひなたはあたゝかくやがて死ぬる虫いつとなく草枯れて家が建ち子が泣いてゐるお寺の鐘が鳴りだしました蔦紅葉病めるからだをあるかせてゐるよ草の実よ虫なくや咳がやまないなんだか人なつかしい草はみのつてゐるみちあまりひつそりして死相など考へては十一月十一日のどかな晴れ...
種田山頭火 「其中日記」
...(十一月十日)墓地はしづかなおべんたうをひらく梅干あざやかな飯粒ひかる行乞即事あなもたいなやお手手のお米こぼれますまぶしくもわが入る山に日も入つた高知城お城晴れわたる蔦紅葉銅像おごそか落つる葉もなく土佐路所見重荷おもけど人がひく犬がひく十一月十一日 晴...
種田山頭火 「四国遍路日記」
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種田山頭火 「四国遍路日記」
...――何だか私も山羊のような!(十一月二十日)(十一月十九日も)つつましくも山畑三椏(ミツマタ)咲きそろひ岩が大きな岩がいちめんの蔦紅葉なんとまつかにもみづりて何の木銀杏ちるちる山羊はかなしげに水はみな瀧となり秋ふかしほんに小春のあたたかいてふてふ雑木紅葉を掃きよせて焚く野宿つめたう覚めてまぶしくも山は雑木紅葉十一月二十一日早起...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...おくつきを守り申すやむら紅葉 鳴雪神杉や三百年の蔦紅葉からかねの鑄ぬきの門や薄紅葉華厳の滝のほとりにて手折れる一枝の紅葉を都への家土産(いえずと)にとて携へ日光停車場に至れば一群の紅粧来りて一枝の秋色を請ふ...
正岡子規 「日光の紅葉」
...大木の常磐木(ときわぎ)へおもしろくかかった蔦紅葉(つたもみじ)の色さえも高雅さの現われのように見え...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分は宿のバルコンを掩(おほ)うた蔦紅葉(つたもみぢ)を写生する気に成つて絵の具弄(いぢり)をして居たので観に行(ゆ)かなかつたが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...落葉(おちば)し尽した木立(こだち)の間から石と泥とを混ぜた家家(いへいへ)の白茶(しらちや)けた壁に真赤(まつか)な蔦紅葉(つたもみぢ)の這(は)つて居るのは綴(つゞれ)の錦(にしき)とでも月並乍(なが)ら云ひたい景色であつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そこに見えるのは寂とした中の蔦紅葉(つたもみじ)と杉木立の青い仄暗(ほのぐら)さだけであった...
吉川英治 「上杉謙信」
...その後はもうここかしこ蔦紅葉(つたもみじ)のように柱やふすまを這う火であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...大手の両側の石垣を這う蔦紅葉だけは美しかった...
吉川英治 「随筆 新平家」
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