...己はあの女を蔑(さげす)めば蔑むほど...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...蔑むやうにちらとその方へ顔を捻ぢ向けたが...
薄田泣菫 「独楽園」
...蔑むような冷やかな...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...」「一たいどういうおつもりですの」と彼女は蔑むようなうす笑いを見せ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...肥大ならず、矮小ならず、膨張せず、萎縮せず、賑かからず、淋しからず、ただあるがままに満ち足って、空疎を知らず、漲溢を知らず、恐るることなく、蔑むことなき、清爽たる気魄である...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...嶋田の髷のなつかしさに振かへり見る人たちをば我れを蔑む眼つきと察(と)られて...
樋口一葉 「たけくらべ」
...蔑むやうな顔つきでイワン・イワーノッチが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私はあなたがその人を蔑むのを見もしきゝもしたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...(自分を責め、蔑むように、強く)敵将の妻を、一夜貸せという――...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...」と蔑むようにマーサは言った...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...何の分別もなく他を迷信と蔑む自身も一種の迷信者たるを免れぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...そんな時の、町の人たちの顔には、一種よそよそしいような、蔑むような、優越感を匂わせたような、複雑な表情が掠める...
矢田津世子 「凍雲」
...こんなおりのひとびとの顔には一種よそよそしいような、蔑むような、白々しい表情が掠めすぎる...
矢田津世子 「凍雲」
...人々が俗称して「下手物(げてもの)」と蔑む低い器物である...
柳宗悦 「工藝の道」
...平凡なものだからといって直ちに蔑むのは正しい見方ではないでしょう...
柳宗悦 「美の国と民藝」
...女を蔑むやうな風を見せて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...時とするとパンポルの戀を仕掛ける娘達にあれほど蔑むやうな風を見せてゐたヤンが...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...大衆は低い――と、その人達は、蔑むが、私は反對に、大衆とは大知識のことだと思つてゐる...
吉川英治 「折々の記」
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