...蓮(はす)の糸、一筋を、およそ枚数千頁に薄く織拡げて、一万枚が一折(ひとおり)、一百二十折を合せて一冊に綴(と)じましたものでありまして、この国の微妙なる光に展(ひら)きますると、森羅万象(しんらばんしょう)、人類をはじめ、動植物、鉱物、一切の元素が、一々(ひとつ)ずつ微細なる活字となって、しかも、各々(おのおの)五色の輝(かがやき)を放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客、句読(くとう)、いずれも個々別々、七彩に照って、かく開きました真白(まっしろ)な枚(ペエジ)の上へ、自然と、染め出さるるのでありまして...
泉鏡花 「海神別荘」
...「六代目はああいふ気儘(きまゝ)つ児(こ)だから……」梅幸は蓮葉(はすは)らしく立膝(たてひざ)の上で長煙管(ながきせる)をくるくる廻した...
薄田泣菫 「茶話」
...蓮に誰(ぞや)小舟漕来る今日も又という意味になるので...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...たとえば坐像二尺の日蓮(にちれん)上人...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...三人は帰りに蓮(はす)の咲いている池の畔(はた)を彷徨(ぶらつ)きながら...
徳田秋声 「足迹」
...了蓮寺といふ寺です...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...其師星巌が風流の跡を慕って「蓮塘欲レ継梁翁集...
永井荷風 「上野」
...やがて蓮生山熊谷寺(れんしょうざんゆうこくじ)の門前に着きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時法然は蓮華王院で浄土の三部経を書写せられ...
中里介山 「法然行伝」
...光蓮寺(こうれんじ)の山門をすこし小さくしたような...
新美南吉 「嘘」
...水蓮の白い花が、……おや、随分大きな花が咲いた、と驚いて見ると、それは安らかに眠つてゐる白鳥でした...
牧野信一 「青白き公園」
...枯蓮(かれはす)の葉がからから鳴っていた...
吉川英治 「三国志」
...木蓮の花に黄金(きん)の耳環(みみわ)を通したような...
吉川英治 「三国志」
...この金蓮という小娘は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あなたはお幾歳(いくつ)ですか」「もう二十三ですの」金蓮は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ほとぼりがさめるとまた、王婆の奥に入り浸(びた)って、金蓮相手に、したい三昧(ざんまい)な痴戯(ちぎ)に耽(ふけ)った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...蓮の花は無限に遠くまで続いていた...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
...蓮の若葉を刻み込んだ蓮飯であった...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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