...花茣蓙を押入から出して炉辺に布いて...
石川啄木 「天鵞絨」
...御一新(ごいっしん)前からの埃(ほこり)があるからね」「へい」「気をつけてね」「へい」胡蓙が解けるとともにもう薄すらと埃が見えた...
田中貢太郎 「春心」
...どう」「へえ」お高は引抽の中の衣服(きもの)を手早く胡蓙(ござ)の上へ出して...
田中貢太郎 「春心」
...そこに敷いた青蓙(あおござ)のうえにも外にも...
徳田秋声 「仮装人物」
......
長塚節 「佐渡が島」
...余はかう思ひながら靜かに暮れ行く寺泊の磯の砂濱へ笠も蓙も荷物も投げ出して徐ろに草鞋の紐を結んだ...
長塚節 「佐渡が島」
...さうして東隣(ひがしどなり)から借(か)りて來(き)た蓙(ござ)が五六枚(まい)敷(し)かれた...
長塚節 「土」
...それにまあどうして川(かは)へなんて其(そんな)遠(とほ)くへ蓙(ござ)ばかり持(も)つてね...
長塚節 「土」
...茣蓙(ござ)を敷く...
中谷宇吉郎 「私の生まれた家」
...私は玄関の前に茣蓙(ござ)を敷いて子供たちと飯事(ままごと)をして遊んだ...
林芙美子 「落合町山川記」
...蓙(ござ)がけの荷を積んだ荷馬車で偶々(たまたま)一人の百姓がそこへ乗りこんで来たればこそで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...目ざとくも遠くから蓙掛(ござが)けの幌馬車(キビートカ)を見つけた叔母さんは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...片隅に薄汚ない蓙(ござ)が一枚敷かれてあるきりで...
北條民雄 「いのちの初夜」
...素晴らしい絣(かすり)や縞(しま)や浮織(うきおり)の着物が色々と茣蓙(ござ)の上に拡げてあります...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...茣蓙(ござ)を四つに折ったのへ...
山本周五郎 「さぶ」
...盆茣蓙(ぼんござ)の景気が立ちませぬ」「何と……あの娘が壺を振ったと申すか」「振りますとも...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...盆茣蓙(ぼんござ)を取巻いて円陣を作った人々の背後(うしろ)に並んだ酒肴(さけさかな)の芳香(におい)が...
夢野久作 「名娼満月」
...そこらの樹(き)のしたに蓙(ござ)でもしいて一晩(ひとばん)明かすよりほかにしかたがない...
吉川英治 「神州天馬侠」
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