...春雨やものかたりゆく蓑(みの)と笠春雨や暮れなんとしてけふもあり柴漬(ふしづけ)や沈みもやらで春の雨春雨やいざよふ月の海半ば春雨や綱が袂に小提灯(こぢやうちん)西の京にばけもの栖(す)みて久しくあれ果たる家有りけり...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...隠れ蓑や隠れ笠のあつた祖国の昔を嘆ずるものも...
芥川龍之介 「僻見」
...蓑浦君、もう僕等は助からぬよ」何を思い出したのか、諸戸が突然悲しげに叫んだ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...親族(しんぞく)はさら也人々蓑笠(みのかさ)に雪をしのぎて送(おく)りゆく...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...その初時雨の淋しさが腸(はらわた)に沁みこむように覚えられた時自分の情を猿に移して猿も蓑をほしげだと言ったその心持に俳諧の生命はあるというのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
......
種田山頭火 「行乞記」
...蓑虫がぶらりとさがつてゐる、蓑虫よ、殼の中は平安だらう、人間の私は虫のお前をうらやむよ...
種田山頭火 「其中日記」
...これは身に着けた笠と蓑にあたる音である...
夏目漱石 「永日小品」
...蓑笠着た人々が走りまわっているのが見えたが...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...もちろん弊社が単なる隠れ蓑(みの)だと全く知らないから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...彼は草で編んだ蓑のやうなものを着て露出する首筋やら手脚は真黒に塗つてゐた...
牧野信一 「創作生活にて」
...漸く『七部集』(殊に「猿蓑」)に眼を開き...
正岡子規 「俳句の初歩」
...「けら」とは蓑のことで...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...台湾のも棕梠蓑であるから...
柳宗悦 「蓑のこと」
...蓑としては衰えても仕方がないが...
柳宗悦 「蓑のこと」
...俳諧『続猿蓑』の連句にいわく...
柳田国男 「雪国の春」
...一人は蓑直(みのなお)し...
吉川英治 「江戸三国志」
...いまどこに身を潜めておるのか」「はや具足師柳斎の隠れ蓑(みの)も...
吉川英治 「私本太平記」
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