...相手の乞児は猿曳の蓄えてあった金を奪い...
田中貢太郎 「義猴記」
...武はそこで先ず旧(ふる)くから蓄えてある皮をくれといって...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「田七郎」
...でっぷりした赭顔の鼻下にちょび髭を蓄えた堂々たる紳士のネルチンスキイを説得している有様は...
田中英光 「オリンポスの果実」
...此れに反して鼻下に髭を蓄え洋服の胸に万年筆をさし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...何だか一番大切な仕事が先生の頭の中に蓄えられたまま...
中谷宇吉郎 「指導者としての寺田先生」
...不肖(ふしょう)なりといえども軽少ながら鼻下に髯(ひげ)を蓄えたる男子に女の自転車で稽古(けいこ)をしろとは情ない...
夏目漱石 「自転車日記」
...その代り三千代に対しては一点も不徳義な動機を蓄えぬ積りであった...
夏目漱石 「それから」
...治療法をかなり蓄えている...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...蓄えられて来たすべての力は...
火野葦平 「花と龍」
...隣の富家翁が財産を蓄え土蔵を建築したるの類に比較す可きや否や...
福沢諭吉 「女大学評論」
...それに再び起ち上がるものを内部に蓄えているような人は...
北條民雄 「いのちの初夜」
...蓄えているものに邪魔されて死にきれないらしいのですね...
北條民雄 「いのちの初夜」
...抽斎は内(うち)徳義を蓄え...
森鴎外 「渋江抽斎」
...)これが珍宝を蓄えたのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...重々しい重量を示しながら崩れた砲塔のように影像を蓄えてのめり出した...
横光利一 「街の底」
...家には妾(しょう)を蓄え...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...……何でこれが、黙視できるか」「…………」「しかも、貞盛にそそのかされて、御辺父子も、兵力を増大にし、弓馬の猛訓練をさせて、虎視眈々(たんたん)と、下総の境を窺っている者ではないか」「…………」「なお、武器を蓄え、兵糧を積み、庁の政務などは、怠っても、軍備を第一に努めているとは、玄明の告げ口に聞くまでもなく、われらの諜報には確かめられている...
吉川英治 「平の将門」
...武士の賢い道は、禄(ろく)から禄の多きへつき、金を蓄え、妾(しょう)をかぞえ、遊芸三昧(ざんまい)、人あたりよく、綺羅(きら)の小袖で送るのが一番じゃという風ではござらぬか...
吉川英治 「べんがら炬燵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??