...「蒼茫とした空」「蒼茫たる大自然」など、文学的表現によく使われます...
...暮色蒼茫たる鬼が島の渚に寂しい鬼の五六匹...
芥川龍之介 「僻見」
...海は蒼茫として青み亙つた...
有島武郎 「潮霧」
...蒼茫(そうぼう)とくれゆく海面に黒煙をうしろにながくひきながら...
海野十三 「火薬船」
...蒼茫と暮れてゆく夕の町の建物の遥か下の方に眺めながら...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...烟水(えんすい)蒼茫(そうぼう)として舟を見ず...
田中貢太郎 「春心」
...遙かに蒼茫と相模灘の霞んだ風景を...
田中英光 「箱根の山」
...ドールとポンタルリエとの間の蒼茫(そうぼう)たる平野の上の赤い曙(あけぼの)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蒼茫(そうぼう)たる霧の中から堀向(ほりむこう)の人家の屋根についている広告の電燈が樹(こ)の間(ま)から見えるようになった...
永井荷風 「ひかげの花」
...一雲海蒼茫 佐渡ノ洲郎ヲ思ウテ 一日三秋ノ愁四十九里 風波悪シ渡ラント欲スレド 妾ガ身自由ナラズははあ...
中島敦 「斗南先生」
...蒼茫(そうぼう)の裡(うち)に...
夏目漱石 「虞美人草」
...蒼茫として海につゞく平野は西に廣がつて...
濱田耕作 「温泉雜記」
...線路の上まで白いしぶきのかかるあの蒼茫(そうぼう)たる町...
林芙美子 「新版 放浪記」
...だんだん暮れかけてきて蒼茫(そうぼう)たる夕闇の中にハムレットの顔と本の頁だけがくっきりと白く浮きあがり...
久生十蘭 「ハムレット」
...顔――蒼茫たる光野に一閃する海の地獄絵だ...
牧逸馬 「運命のSOS」
...蒼茫夢なる作を出してゐる坂口安吾君は数年前に「ふるさとへ寄せる讚歌」「木棺しの酒倉」「風博士」「黒谷村」「竹藪の家」以上五篇もの...
牧野信一 「浪曼的月評」
...蒼茫(そうぼう)とした月明(つきあかり)を思わせるようにあかるい夜ぞらと庭樹の間にはそれらしい陰影すらなかった...
室生犀星 「後の日の童子」
...海面朝靄蒼茫として宮島あたたしま壁島隠見す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蒼茫としてはてしなく廣がつてゐるのである...
吉江喬松 「山岳美觀」
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