...「蒼茫とした空」「蒼茫たる大自然」など、文学的表現によく使われます...
...蒼茫たる山巒(さんらん)を指して...
芥川龍之介 「雑信一束」
...詩神は蒼茫たる地中海を渡り...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...(十三) 我が四畳半(四)壁は蒼茫(さうばう)たる暮靄(ぼあゐ)の色をなし...
石川啄木 「閑天地」
...東京灣、近く一大明鏡をひらき、關八州の野、遠く蒼茫たり...
大町桂月 「房州の一夏」
...北海道の原野はもう蒼茫(そうぼう)と暮れ果てて雪もよいの空は暗澹(あんたん)として低く垂れ下っていた...
橘外男 「生不動」
...蒼茫と暮れてゆく夕の町の建物の遥か下の方に眺めながら...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...遙かに蒼茫と相模灘の霞んだ風景を...
田中英光 「箱根の山」
...漫(べうまん)たる水は海の如く蒼茫として窮まるところは空と水と遂に一つに融けてその他には何物も認められない...
近松秋江 「湖光島影」
...半月空に泛び淡烟蒼茫として街を罩めたるさま春夜の如し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...此夜風暖にして淡烟蒼茫たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...蒼茫(そうぼう)たる霧の中から堀向(ほりむこう)の人家の屋根についている広告の電燈が樹(こ)の間(ま)から見えるようになった...
永井荷風 「ひかげの花」
...目に入るものは蒼茫(そうぼう)たる暮烟(ぼえん)につつまれて判然としていなかったのも...
永井荷風 「元八まん」
...白いしぶきのかゝるあの蒼茫たる風景...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...蒼茫夢なる作を出してゐる坂口安吾君は数年前に「ふるさとへ寄せる讚歌」「木棺しの酒倉」「風博士」「黒谷村」「竹藪の家」以上五篇もの...
牧野信一 「浪曼的月評」
...月夜のように蒼茫(そうぼう)とした明るみを持っていた...
室生犀星 「後の日の童子」
...蒼茫(そうぼう)と暗くなる」こんな独り言を呟いたり...
山本周五郎 「めおと蝶」
...――蒼茫と暗くなる...
山本周五郎 「めおと蝶」
...平遠蒼茫たる地面...
和辻哲郎 「享楽人」
便利!手書き漢字入力検索