...蒼白な顔をした男たちは...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...蝋のような蒼白な不動に陥っている...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...蒼白な顔になってしまっていた...
直木三十五 「南国太平記」
...蒼白な細面(ほそおもて)に隆起した鼻の形の極めて細く且つ段のついてゐることで...
永井荷風 「来訪者」
...放射線障害で蒼白な者...
永井隆 「長崎の鐘」
...そして皆は兄の蒼白な手をとつて親しく微笑して更らに健康と勇気と光との世界を求めるやうになるであらう...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...その蒼白な面を爐の火の照らすまゝにしたとき程...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...蒼白な、鼻の低い顔――ひげのないそのおもざしから、年齢を推量するのはむずかしかった――その顔は、渋面(じゅうめん)と悪徳でくまなくすき返されたように見え、赤茶けた眉と眉とのあいだに、強情(ごうじょう)な、おうへいな、ほとんど乱暴な表情できざまれているふたすじの深いしわは、よく動く口が歯をむき出すのと、奇妙に釣合いがとれているようだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...蒼白な顰(しか)め面をした...
三木清 「語られざる哲学」
...蒼白なお顔...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...蒼白な電光が煌々(こうこう)と輝き満ちている...
夢野久作 「女坑主」
...乱びん蒼白な面(おもて)をなし...
吉川英治 「江戸三国志」
...二人とも蒼白な顔を鐘の行方に俯伏(うつぶ)せた...
吉川英治 「私本太平記」
...その宋江も蒼白なおもてを凍(こお)らせたまま背を這う顫(ふる)えをどうしようもない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...有馬の湯の脱衣場の大鏡に自分のゲッソリした蒼白な面を映して「これが死ぬ前の顔か」とひとり眺めたほどな記憶がある...
吉川英治 「随筆 新平家」
...蒼白な顔に、鬢(びん)をみだし、一人は十手を、一人は白刃をさげていた...
吉川英治 「無宿人国記」
...蒼白な額にはベットリと寝汗をかいて...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...(ダメだ――)黒吉は蒼白な額を...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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