...夫人は蒼白な顔をして荒々しい呼吸に全身を鞴(ふいご)のようにはずませていた...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...T氏は蒼白な顔を痙攣させて...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...左部彦次郎があわただしい足どりで蒼白な顔を見せ「こんな電報が来ました...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...蒼白な顔色をしながら...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...彼の母の髪は青い薄明りの中の蒼白な顔に相対して真紅に見えた...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...「マスをやるな」私は蒼白な感情になる...
外村繁 「澪標」
...誰も、頭髪を乱して、蒼白な、土まみれの顔で、眼を血走らせていた...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...残った一人は、蒼白な顔をして、正眼につけたまま、動きもしなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...蒼白な細面(ほそおもて)に隆起した鼻の形の極めて細く且つ段のついてゐることで...
永井荷風 「来訪者」
...ああ蒼白なこの友が最もふしぎに最も自然に自分の指をつくづく眺めてゐるのに出会して涙なきものがゐようか...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...蒼白なお顔...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...蒼白な手はまだ、虚空にものを掻き探している...
吉川英治 「私本太平記」
...二人とも蒼白な顔を鐘の行方に俯伏(うつぶ)せた...
吉川英治 「私本太平記」
...蒼白な龍顔(りゅうがん)にはお髪(ぐし)がみだれかかり...
吉川英治 「私本太平記」
...「…………」直義は蒼白な顔に鬢(びん)の毛を垂れていた...
吉川英治 「私本太平記」
...蒼白な悲痛を剥(む)き出しているように見えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...蒼白なかれの面(おもて)には...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...(ダメだ――)黒吉は蒼白な額を...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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