...小柄で恐しく痩せて蒼白い顔をしているが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「妖影」
...」こんなことを言っては、勇吉が暗い窓の下で、蒼白い顔をして、神経を昂らせて、鉛筆で手帳に何か書きつけていたりするのを叱るように言った...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...ショボショボしたような目、カッ詰ったような顔、蒼白い皮膚の色、ザラザラする掌(て)や足、それがもう目に着くようであった...
徳田秋声 「新世帯」
...吉岡の蒼白い頬にぽっと赤味がさして...
豊島与志雄 「好意」
...蒼白い若い男たちである...
豊島与志雄 「風俗時評」
...蒼白い皮膚の色に真珠のような光を見せて...
中里介山 「大菩薩峠」
...雨に濡れた蒼白い顔が...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...後で聽いたことですが、それは中年過ぎてから娶(めと)つた後添へで、年も精々二十四五、商賣人あがりらしい、蒼白い顏をした、少し劍のある、――が、美しい女です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すき透るような蒼白い顔のあたりに三鞭酒色(シャンパン)の靄をかけ...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...青みがかつた黒髮、蒼白い顏、大きな眼をした、小柄なアンナは、非常に東洋風な風采があり、希臘人を組先にしてゐることに少からぬ誇りをもつてゐる...
堀辰雄 「ノワイユ伯爵夫人」
...あの蒼白い美しい柱時計がガンガンガンガン六時を打ちました...
宮沢賢治 「耕耘部の時計」
...息も絶えるやうな蒼白い惱みにがたがた震ひ上つてゐたが...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...つかれたらしい蒼白い揉みくちゃにした紙のようになって...
室生犀星 「香爐を盗む」
...蒼白い、広い額の下に、深く窪んだ目があつて、その目から時々焔が迸り出る...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...その時から此女の蒼白い顏の目口の間に...
森林太郎 「身上話」
...……痩せて蒼白い...
山本周五郎 「菊千代抄」
...そして蒼白い光線の反射を受けて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...甚だしく蒼白い...
吉川英治 「新書太閤記」
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