...――絵の具だらけのずぼん・蒼白い額へ垂れさがる「憂鬱」な長髪・黒りぼんの大ネクタイと長いもみあげ・じっと卓上のアブサンを凝視している「深刻」な眼つき・新しい派の詩人とあたらしい派の画家と...
谷譲次 「踊る地平線」
...顎髯(あごひげ)の伸びた蒼白い顔は...
徳田秋声 「あらくれ」
...死んだような雪は蒼白い眼で彼等を眺めた...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...二十二三歳の、髪の長い、顔の蒼白い、痩せた神経質な人で、学校に行ってるのでもなく、昼間は大抵室の中に寝転んでるらしく、夕方になってどこへか出かけてゆく...
豊島与志雄 「二等車に乗る男」
...自分が向ふから蒼白い顔で歩いて来てるのか分らない時がある――十字路で...
中原中也 「夢」
...それは蒼白い美しさで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...君を思へば蒼白い月天がいつもその上にかかる...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...やがて窶れ切った蒼白い顔を振り上げ...
久生十蘭 「魔都」
...彼女は、まつたくの子供で、おほかた、七つか八つ位だらう、蒼白い、華奢(きやしや)な、顏立のほつそりとした身體つきで、ありあまる程の髮がくる/\と捲毛(まきげ)になつて腰のあたりまで垂れてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...蒼白い顔の神経質らしい男だった...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...蒼白い霧の底でヒラヒラと点つてゐた...
牧野信一 「妄想患者」
...「町っ子とお遊びになってはいけません」と痩(や)せた蒼白い顔をことさら真面目(まじめ)にして誡(いまし)めた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...かれは女の蒼白い顔を見ることをおそれるもののように努めて視線を避け...
室生犀星 「香爐を盗む」
...とうていその顔付から遁(に)げ出すことのできない宿命じみた蒼白い顔付――それが春夜にもなお電燈の下に座っている――...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...彼女は自分でその音に驚いたように非常に蒼白い顔をして...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...その つよさまさびしさ さやけさこころ 暗き日やまぶきの 花つばきのはなこころくらきけふ しきりにみたしやまぶきのはなつばきのはな蒼白い きりぎし蒼白い きりぎしをゆくその きりぎしの あやうさはひとの子の あやうさに似る...
八木重吉 「秋の瞳」
...家扶の硬ばった蒼白い顔が...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...話の模様があんまり唐突(とっぴ)に変化したのに面喰いながら若林博士の蒼白い顔と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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