...――ラマ教の寺院の塔の上にはかすかに蒼ざめた太陽が一つ...
芥川龍之介 「第四の夫から」
...社長は卓子(テーブル)の下を這つて向うへ拔けて拔萃(きりぬき)に使ふ鋏を逆手に握つて眞蒼な顏をして...
石川啄木 「菊池君」
......
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...彼は空を仰いで昼から夜に移りゆく蒼空の暮色を眺めた...
豊島与志雄 「恩人」
...蒼白く硬直して窮屈な棺のなかに合掌してる死骸をふとみればやっぱり妹のような気もする...
中勘助 「妹の死」
...「そぞろに覚ゆ蒼茫万古(そうぼうばんこ)の意...
中里介山 「大菩薩峠」
...しらじらと蒼ざめる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...」やゝ上気した頬の赭味(あかみ)のために剃つた眉のあとが殊に蒼(あを)く見える細君はかう云ひ乍ら羞ぢらひげに微笑(ほゝゑ)んだ会釈(ゑしやく)を客の裕佐の方へなげ...
長與善郎 「青銅の基督」
...蒼い顏をして居ますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...緊張で蒼ざめた顔をふりあげて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...闇の中にぼオーッと蒼白(あおじろ)い...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...一種蒼古な気分をもっているようにおもわれる...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...魚うりの神さんの蒼い笑顔を思うと...
「鏡の中の月」
...蒼(あお)ざめた顔をゆがめ...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...彼女はお臀(しり)のような蒼白い顔の女になった...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...蒼白いのや黄色いのや...
夢野久作 「人間レコード」
...總てが蒼ざめて物悲しかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...われわれ蒼生(そうせい)にいたるまでの...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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