...後で聞けばその時の予の顏は死人のそれの如く蒼かつたそうである...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...そのうしろの鬱蒼(うっそう)たる森林を焔(ほのお)と燃え立たせていた...
江戸川乱歩 「断崖」
...森閑たる昼なほ暗きところに蒼然たる古池があつて...
太宰治 「津軽」
...街路樹の葉はすでに蒼黒(あおぐろ)く繁(しげ)っていて...
徳田秋声 「仮装人物」
...ふだん蒼白い痩せた村尾の顔が赤くほてっているのは...
豊島与志雄 「慾」
...卯平(うへい)の顏(かほ)は黄昏(たそがれ)の光(ひかり)に蒼(あを)かつた...
長塚節 「土」
...蒼黒(あをぐろ)い水(みづ)の色をあらはした前(まへ)に...
夏目漱石 「それから」
...病後のせいか蒼白く痩せて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...君の霊魂は私の知つてゐる限りまさしく蒼い顔をしてゐた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...鬱蒼(こんもり)した中に建っていた...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...蒼白(あおじろ)い光を投げて...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...蒼白い月光が隈なく羅(うすもの)を敷たように仮の寝所(ふしど)を照して...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...蒼ざめた白大理石の爐棚(マントルピイス)の上の飾(かざり)は...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ぼんやりと蒼白く瞬いてゐる瓦斯灯の灯が...
牧野信一 「妄想患者」
...蒼白い弛んだつやのない皮膚は...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...全身の蒼白が額にあつまって汗を掻いている...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...色の蒼(あお)い...
森鴎外 「百物語」
...ご覧のとおり蒼ざめて物蔭に隠れていたのでござる...
吉川英治 「剣難女難」
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