...堂を蒹葭(けんか)と呼んだ大阪町人は実にこの山水の素人作者である...
芥川龍之介 「僻見」
...蒹葭堂を訪れる遠来の客に是等のコレクシヨンを示すことを愛した...
芥川龍之介 「僻見」
...支那の哲学を愛した時代のかう云ふ蒹葭堂主人の多識に声誉を酬いたのは当然である...
芥川龍之介 「僻見」
...恬淡無欲なる我等の祖国は勿論蒹葭堂コレクシヨンをも無残なる散佚(さんいつ)に任かせてしまつた...
芥川龍之介 「僻見」
...畢竟蒹葭堂主人は寥々(れうれう)たる著書と画との外に何も伝へなかつたと言はなければならぬ...
芥川龍之介 「僻見」
...しかし唯その為にのみ蒹葭堂主人を賛美するのは――第一に天下のペエトロンなるものを己惚(うぬぼ)れさせるだけでも有害である!もう一度便宜上繰り返すと...
芥川龍之介 「僻見」
...――さう言へば巽斎は不思議にも蒹葭堂主人と号してゐた!しかし棘(とげ)のない薔薇はあつても...
芥川龍之介 「僻見」
...巽斎自身行状を記した一巻の「蒹葭堂雑録」は如何にその心の秤(はかり)の平衡を得てゐたかを示すものである...
芥川龍之介 「僻見」
...双無塩(ふたりのあくぢよ)独(ひとり)の西施(せいし)と語(かた)るは蒹葭(けんが)玉樹(ぎよくじゆ)によるが如く...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...わたくしが好んで蒹葭(けんか)の間に寂寞を求めに行くところである...
永井荷風 「深川の散歩」
...蜀山人(しょくさんじん)が作にも金竜山下起二金波一〔金竜山下(きんりゅうさんか)に金波(きんぱ)を起(お)こし砕二作千金一散二墨河一千金(せんきん)を砕作(さいさく)して墨河(ぼくが)に散(ち)る別有三幽荘引二剰水一別(べつ)に幽荘(ゆうそう)の剰水(じょうすい)を引(ひ)ける有(あ)りて蒹葭深処月明多蒹葭(けんか)深(ふか)き処(ところ)月明らかなること多(すぐ)れり〕という絶句がある...
永井荷風 「向嶋」
...然るに今日に至っては隅田川の沿岸には上流綾瀬(あやせ)の河口から千住(せんじゅ)に至るあたりの沮洳(そじょ)の地にさえ既に蒹葭蘆荻(ろてき)を見ることが少くなった...
永井荷風 「向嶋」
...当時隅田川上流の蒹葭と楊柳とはわたくしをして...
永井荷風 「向嶋」
...蒹葭は秋より冬に至って白葦黄茅(はくいこうぼう)の景を作る時殊に文雅の人を喜ばす...
永井荷風 「向嶋」
...風景は忽然一変して蒹葭蒼々たる水村の堤になる...
永井荷風 「来訪者」
...たまには蒹葭堂(けんかどう)...
正岡子規 「病牀六尺」
...後代あの蒹葭堂(けんかどう)等が支那明清(みんしん)のものに驚きの眼を開いたのも同じでした...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...また木村蒹葭堂の蒹葭堂など...
吉川英治 「折々の記」
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