...渚(なぎさ)を籠(こ)めて蒸すのである...
泉鏡花 「悪獣篇」
...建物の裏からは満開を過ぎた梅の蒸すやうな匂が漂つてゐた...
犬養健 「朧夜」
...3松茸の蒸すようなにおいは...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...牛乳を蒸す器械を買ふ時に照ちやんは餘り高いからよさうと言つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...この蒸すやうな大道に釣臺を下ろして何をするのだと春三郎は躍起になつて人夫を叱つたが...
高濱虚子 「續俳諧師」
...それはシャン化物で燻蒸する際に発する水シャン化酸瓦斯(ガス)の微量を吸いこむともはや絶対に助からぬ...
久生十蘭 「黒い手帳」
...下からは蒸すとよく講釈師がいうような烈しいあぶらでり...
正岡容 「小説 圓朝」
...午後三時ごろの日の光を蒸すやうに受けた夏草の茂みの中に立つて...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...熱い汗が蒸すように湧いて来た...
水上滝太郎 「九月一日」
...これを蒸すならばやはり玉子を多く入れます...
村井弦斎 「食道楽」
...第三十八 パンのプデン(蒸す法)前のようなパンの固い端が沢山残ってパン粉にも余るようならばそれで美味(おい)しいお菓子が出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...蒸す時注意して列べざればネバリにて湯気通らぬ事あり...
村井弦斎 「食道楽」
...それを食べる前によく蒸すのですが温かい処をお客に出して酢醤油をつけて薬味を添えて食べるのです...
村井弦斎 「食道楽」
...○豚饅頭に生肉を用ゆるは蒸す故に蒸汽消毒を行うと同じ功能あればなり...
村井弦斎 「食道楽」
...又はイリゴガテと稱して飯の上に載せて共に蒸すことも越後などにはあつた...
柳田國男 「食料名彙」
...愉園(ゆゑん)に入(はひ)つて蒸す様な眩(まぶ)しい※帯花卉の鉢植の間の卓(たく)に椅(よ)り...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...蒸すやうに暑かつた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...』むんむと蒸す日光の照りつけたその松林にははげしい蝉時雨が起つてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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