...蒸す樣な草いきれと...
石川啄木 「鳥影」
...いやに蒸すことね...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...また「苔蒸すかばね」のむすが分らない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...香気の蒸すやうな仏手柑など...
薄田泣菫 「独楽園」
...牛乳を蒸す器械を買ふ時に照ちやんは餘り高いからよさうと言つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...塵わら――さかみづきいきふき蒸すか...
田山花袋 「日本橋附近」
...彼の脊中(せなか)を蒸すような黄色い古びが心(しん)まで透っていた...
夏目漱石 「道草」
...午後三時ごろの日の光を蒸すやうに受けた夏草の茂みの中に立つて...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...降りたくても降れないと云う様な空模様で、蒸す事甚い...
宮本百合子 「一日」
...それをモー一層美味しくするのは南瓜(とうなす)を蒸すかあるいは湯煮(ゆで)て裏漉(うらご)しにして好い加減と思うほど今の物へ混ぜて肉桂(にっけい)の粉を加えて蒸すのです...
村井弦斎 「食道楽」
...これにはよく実(み)の入(い)った南瓜がいいので皮を剥いて小さく切って蒸すか湯煮るかしてそれを裏漉しにかけて一合の中へ玉子の黄身を一つ位入れて砂糖と肉桂(にっけい)の粉で味をつけて玉子焼鍋へ油を敷いてその中へ今の物を入れて二...
村井弦斎 「食道楽」
...御老人には最も好いお料理ですね」第二百二十八 老人の食物ライスプデンは玉江嬢も先に習いし事あり「あのお料理は極く手軽にすると先刻(さっき)お話のあった通り玉子とお砂糖をよく混ぜて牛乳を少しずつ加えてそれへ御飯を入れて蒸すのですね」お登和嬢「それは山の中や田舎で極く手軽に拵(こしら)える軽便法です...
村井弦斎 「食道楽」
...これを蒸すならばやはり玉子を多く入れます...
村井弦斎 「食道楽」
...それを蒸す時は水で少し捏(こ)ねてそれをサラサラするようにほごして蒸す...
村井弦斎 「食道楽」
...それを食べる前によく蒸すのですが温かい処をお客に出して酢醤油をつけて薬味を添えて食べるのです...
村井弦斎 「食道楽」
...莫迦に蒸すねえ」湯帷子に着換えた爺さんは団扇を使いながら内儀さんの病室にあてた奥の六畳へ入っていく...
矢田津世子 「神楽坂」
...またはイリゴガテと称して飯の上に載せてともに蒸すことも越後などにはあった...
柳田國男 「食料名彙」
...』むんむと蒸す日光の照りつけたその松林にははげしい蝉時雨が起つてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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