...わたしはあの笹葺(ささぶき)の小屋に...
芥川龍之介 「俊寛」
...長方形の窓の外は茅葺(かやぶ)きの家が一つある風景...
芥川龍之介 「誘惑」
...トタン葺の陋屋が秩序もなく...
心猿 「荷風翁の發句」
...唐黍畑の先には草葺の低い軒があつて...
田中貢太郎 「海異志」
...茅葺屋根などが見えるばかりで...
田山録弥 「百日紅」
...萱沢山(かやたくさん)の厚さ二尺程にも屋根を葺(ふ)いて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...葺屋町(ふきやちょう)の芝居まで焼けたことがございました...
中里介山 「大菩薩峠」
...劇場には出演しない葺屋町の吉住一門に歌舞伎の舞台に出てもらい...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...茅葺の山家は壁がぬけて蜻蛉や飛蝗(ばった)の棲家になり...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...元弘の安養の宮ましたりし御寺の檐に葺く菖蒲かな作者は読史家としても一隻眼を具へてゐて特に国史は大方誦じてゐた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...立ち木の隙間から少し奥の方に藁葺きの辻堂の一部が見えている...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...裏口を回つて五六間の距離のある草葺の冠木門までの梅の木の下を...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...若しも軒先に煙草の看板ほどの酷く煤けた「おとまり宿」といふ板が掛つてゐなかつたら見逃すのが当然沁みた草葺屋根の不恰好な二階屋だつた...
牧野信一 「るい」
...その時乳母の家の藁葺(わらぶき)家根が見えた時のことをおぼろげに記憶している...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...山麓や森の間に草葺の農家が散在するのを見るとき...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...この赤と白との諧調からなる本葺の屋根が連なる様は...
柳宗悦 「民藝四十年」
...瓦葺(かわらぶき)でも石州(せきしゅう)の窯場(かまば)の赤屋根の如きは忘れられぬものではあるが...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...彼は黄金で葺いた宮殿のある日本や...
和辻哲郎 「鎖国」
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