...芦や葭がずっと生えている...
上村松園 「余齢初旅」
...葭簀(よしず)張りの茶店があって...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...葭のあひだを分けて...
土田耕平 「千本木川」
...虫籠、絵団扇(えうちわ)、蚊帳(かや)、青簾(あおすだれ)、風鈴(ふうりん)、葭簀(よしず)、燈籠、盆景(ぼんけい)のような洒々(しゃしゃ)たる器物や装飾品が何処の国に見られよう...
永井荷風 「夏の町」
......
永井荷風 「向嶋」
...蜀山人(しょくさんじん)が作にも金竜山下起二金波一〔金竜山下(きんりゅうさんか)に金波(きんぱ)を起(お)こし砕二作千金一散二墨河一千金(せんきん)を砕作(さいさく)して墨河(ぼくが)に散(ち)る別有三幽荘引二剰水一別(べつ)に幽荘(ゆうそう)の剰水(じょうすい)を引(ひ)ける有(あ)りて蒹葭深処月明多蒹葭(けんか)深(ふか)き処(ところ)月明らかなること多(すぐ)れり〕という絶句がある...
永井荷風 「向嶋」
...八」「ヘエ」ガラッ八は少し這い加減に葭簾の下の方を押すと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...橋をわたれば葭町(よしちょう)の花柳場(さかりば)があり...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...ずっと奥まった葭簀(よしず)のかげの床几にかけていて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...船から見て、おおよその見当はつけていたが、草木のともしいことはおどろくばかり、木と名のつくものは、国方(くにがた)で、菜萸(ぐみ)といっているものの一尺ほどの細木、草はといえば、茅(かや)、葭(よし)、山菅(やますげ)が少々、渚に近いところに鋸芝(のこぎりしば)がひとつまみほど生えているだけであった...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...葭簀ばりの入口に...
宮本百合子 「菊人形」
...蚊いぶしの煙が葭簾の隙間から条(しま)のようになって外へながれ出るのを...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...葭簀(よしず)の蔭で...
吉川英治 「江戸三国志」
...この間に、この葭簀の蔭で、ぼくは幾十人の宿無き人を泊めたかしれない...
吉川英治 「折々の記」
...涼ませて貰おうか』縁先の葭簀棚(よしずだな)の下に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...葭(あし)をわたる風が...
吉川英治 「松のや露八」
...葭(よし)だか人間だかわからないほど両岸に市民が立っている...
吉川英治 「松のや露八」
...それを遠景として船室の窓からは僅かに濁つた水とそれにそよぐ葭と兩岸の堤とそれらを煙らせてをる微雨とのみがひつそりと眺めらるゝ...
若山牧水 「水郷めぐり」
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