...最後に古い葭戸(よしど)のかげには梅干を貼つた婆さんが一人...
芥川龍之介 「僻見」
...恬淡無欲なる我等の祖国は勿論蒹葭堂コレクシヨンをも無残なる散佚(さんいつ)に任かせてしまつた...
芥川龍之介 「僻見」
...「葭芽の発生悪しく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...お幸ちやんはそれを棚の下の葭壁に立てかけて注文を聞かうと思つたが...
田中貢太郎 「蛾」
...もう例年のように葭簀張(よしずばり)の日覆いが出来ていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...左と右は唯もう茫々たる葭葦の何段ともなく生い茂って居て...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...「もしや」といふ一念にひかされて再び葭町(よしちやう)の路地口(ろぢぐち)に立寄(たちよ)つて見た...
永井荷風 「すみだ川」
...往来(おうらい)を狭(せば)むるほどに立連(たちつらな)った葭簀張(よしずばり)の掛茶屋(かけぢゃや)...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...あたかも迷宮の観あるは葭町(よしちょう)の芸者家町であろう...
永井荷風 「日和下駄」
...あわてて麹町一丁目の詰番所傍(わき)の空地(あきち)へ引込んで葭簀(よしず)で囲ってしまい...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...半分ばかり葭戸を開けると...
正岡容 「寄席」
...今葭戸が机の前にしまっていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お袖に会ったかい?」真(ま)ひるの闇(やみ)夜になるとよくこの辺の売笑婦たちが集まってくる茶めし屋の葭簀(よしず)囲い...
吉川英治 「大岡越前」
...かかるうちに国境の葭萌関(かぼうかん)から飛報が来た...
吉川英治 「三国志」
...さっきから同じ葭簀(よしず)の蔭で...
吉川英治 「私本太平記」
...彼方の葭(よし)の茂りが...
吉川英治 「新書太閤記」
...葭(よし)の間に投げ散らされてある苫(とま)の莚(むしろ)――そして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...葭簀(よしず)を立てて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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