...葭町(よしちょう)の御輿などがある...
高村光太郎 「回想録」
...もう例年のように葭簀張(よしずばり)の日覆いが出来ていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...葭簀張の下は一層暗くなっているので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いよ/\御神燈(ごしんとう)のつゞいた葭町(よしちやう)の路地口(ろぢぐち)へ来た時...
永井荷風 「すみだ川」
...蜀山人(しょくさんじん)が作にも金竜山下起二金波一〔金竜山下(きんりゅうさんか)に金波(きんぱ)を起(お)こし砕二作千金一散二墨河一千金(せんきん)を砕作(さいさく)して墨河(ぼくが)に散(ち)る別有三幽荘引二剰水一別(べつ)に幽荘(ゆうそう)の剰水(じょうすい)を引(ひ)ける有(あ)りて蒹葭深処月明多蒹葭(けんか)深(ふか)き処(ところ)月明らかなること多(すぐ)れり〕という絶句がある...
永井荷風 「向嶋」
...然るに今日に至っては隅田川の沿岸には上流綾瀬(あやせ)の河口から千住(せんじゅ)に至るあたりの沮洳(そじょ)の地にさえ既に蒹葭蘆荻(ろてき)を見ることが少くなった...
永井荷風 「向嶋」
...葭簾張(よしずばり)の見通しだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銭形の親分さん」平次が葭簾の中に顔を突っ込むと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...葭原(よしわら)という廓(くるわ)が出来...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...その幹へさしかけにした葭簀囲いの間から...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...夏の夜店の植木屋の葭簀ばりのそばで青々と細葉をしげらせたその鉢植を買ったとき...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...或る箱の葭簀(よしず)の下では支那らんちゅうの目の醒めるようなのが魁偉(かいい)な尾鰭を重々しく動かしていた...
宮本百合子 「高台寺」
...一本も葭というものが生えません...
柳田國男 「日本の伝説」
...――だが、葭簀のすそに、腰をくだいて、背中の子どもと共にベソを掻いている久助のあえない姿を見出すと、群集の眼は、皆まごついて、腑に落ちない顔を見合せている...
吉川英治 「大岡越前」
...即日ふたりは葭萌関(かぼうかん)の守備に急いだ...
吉川英治 「三国志」
...誰かほかの大将をして葭萌関の危機を救援せしめ...
吉川英治 「三国志」
...みな葭の根の生えているやわらかい湿地に気づかなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...伏見などの葭(よし)や葦(あし)は...
吉川英治 「新書太閤記」
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