...堂を蒹葭(けんか)と呼んだ大阪町人は実にこの山水の素人作者である...
芥川龍之介 「僻見」
...――さう言へば巽斎は不思議にも蒹葭堂主人と号してゐた!しかし棘(とげ)のない薔薇はあつても...
芥川龍之介 「僻見」
...蒹葭堂主人の清福のうちに六十年の生涯を了したのも偶然ではないと言はなければならぬ...
芥川龍之介 「僻見」
...思いがけなくそこの葭戸際(よしどぎわ)には...
芥川龍之介 「妖婆」
...窓のすぐ下は日覆の葭簾に遮られてゐるが...
心猿 「荷風翁の發句」
...この芦や葭をとって細工物をするのだという...
上村松園 「余齢初旅」
...竹や葭(よし)を綺麗に組み合わせて小さな小屋形のものを作り...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...テラスの葭簀張(よしずばり)の下へ出て見たが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...街道の北側に葭葺の草舎が一棟...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...島を蔽(おお)う枯葭(かれよし)の中から十三層の石輪塔(せきりんとう)が見える...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...お糸を葭町(よしちょう)へ送るため...
永井荷風 「すみだ川」
...しかし蘆荻蒹葭は日と共に都市の周囲より遠(とおざ)けられ...
永井荷風 「向嶋」
...葭簀張(よしずば)りの凉しい別室が名物...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...格子をあけると中の間の葭屏風(よしびょうぶ)のかげから...
長谷川時雨 「神田附木店」
...目ッ吉と二人で葭簀から出る...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...また葭と書いても差支えはない...
牧野富太郎 「植物記」
...葭簀張の小屋でありましたが...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...葭(あし)をわたる風が...
吉川英治 「松のや露八」
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