...「この女人はわたしを葬る為にわたしに香油を注いだのだ...
芥川龍之介 「西方の人」
...自分の生涯に於ける此の如き時期を葬るために...
阿部次郎 「合本三太郎の日記 序」
...(うたう)あんまりみんなで泣くにはおよばぬ明日(あした)お墓を掘る時にしろいスカアフの騎手(のりて)をよぶな明日(あした)死人を葬るときによその人たちにふるまいするな明日(あした)お通夜をするときもいのりのために金をやるな明日(あした)死にゆく死人のためにいのりの必要はない...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「カスリイン・ニ・フウリハン(一幕)」
...死者の手足を十字架に釘で打ちつけて葬るものだというのである...
岩本素白 「こがらし」
...葬式は遺言通りに自分のうたふ讃美歌で自分の屍骸を葬ることになつたさうだが...
薄田泣菫 「茶話」
...鴉と子供人を葬るところ梅の花・墓場へみちびくみちの落葉鳴らしゆく落ちてそのまゝ芽生えた枇杷に枇杷・ぼんやりをればのぞいては啼くはひたたき・さびしさのはてのみちは藪椿・風に木の葉のさわがしいさうろうとしてゆく・夜ふけの餅のうまさがこんがりふくれ・枯れたすゝきに日が照る誰かこないかな黎々火君に秋田蕗二句蕗の芽もあんたのこゝろ・あんたのこゝろがひろがつて蕗の葉二月十七日あたゝかい...
種田山頭火 「其中日記」
...死んだ後までも猶(なほ)その死骸を葬るのを拒むとは...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...先年村での旧家の老母を葬る日...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...今むざむざ葬るのはまことに惜しいものじゃ」「いったい...
中里介山 「大菩薩峠」
...一般の墓地に葬ることを許さず...
中山太郎 「屍体と民俗」
...おせいへの思ひ出は息苦しかつたが、邦子への気持ちは案外さばさばしたもので、葬ると同時に、邦子のすべては、富岡の心からさつと吹き消されていつた...
林芙美子 「浮雲」
...葬るなりするのが当然だ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...墓の下から出て来たという意味です」「墓というと」「人を葬る...
久生十蘭 「ハムレット」
...自然はすべての不平と煩悶とを葬るにまことに適しき墓である...
三木清 「語られざる哲学」
...過去であるとすることによつて葬る...
三木清 「歴史哲學」
...自分からその一生を闇に葬ることになる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...富める人を葬る場合と全然同じような鄭重な儀式を以て葬るのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...生きながら葬る方法をさえも教え込んでいる...
和辻哲郎 「鎖国」
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