...葛西(かさい)街道にして...
泉鏡花 「婦系図」
...南葛飾郡葛西村の船頭音吉といえるが...
井上円了 「おばけの正体」
...葛西靈松と稱する老松を看る...
大町桂月 「小利根川の櫻」
...方角位(けんとうぐらい)はつくだろうよ」遠縁の者はその老人を伴(つ)れて葛西の邸(やしき)の傍へ往くと...
田中貢太郎 「赤い花」
...佐藤は或日いつものやうに笊を背負ひ、束(たば)ねた箒をかついで省線浅草橋の駅から橋だもとへ出た時、焼出されの其朝、葛西橋の下で、いつしよに炊出しの握飯を食つて、其儘別れたおかみさんが、同じ電車から降りたものらしく、一歩(ひとあし)先へ歩いて行くのに出会つた...
永井荷風 「にぎり飯」
...」「葛西町へ引越すつもりです...
永井荷風 「来訪者」
...行く春や葛西の男鋏刀(はさみ)して躑躅を切りぬ居丈ばかりに今を盛りと咲き誇つてゐた躑躅も漸く散つて春も暮れようとする一日...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...故葛西善蔵と久保田万太郎とはその後に交遊がつゞいた...
牧野信一 「交遊記」
...葛西氏から精神上の多くの花やかな好意を享けた...
牧野信一 「断想的に」
...別段葛西氏に対して私自身を遠慮したといふ感じはない...
牧野信一 「断想的に」
...水が増して葛西村では堤をひたした所がある...
山本周五郎 「青べか日記」
...乳母は葛西のほうの農家の者であった...
山本周五郎 「桑の木物語」
...「こんな赤ん坊っておら見たこともねえ」葛西から来た乳母はいつもこう云っていたそうだ...
山本周五郎 「桑の木物語」
...さぶは葛西にある実家のことを考えてみた...
山本周五郎 「さぶ」
...「それで、なにしろ、おふくろのことだし、葛西といえばそう遠くもねえし」「じれってえな、おめえは」栄二はつい知らず荒い調子になった、「葛西がいってえなんだ、おめえ葛西で、どんなめにあったか忘れちゃったのか」「それを云われると困るんだ」「ほかのことは云わねえ、おめえが病気になって、養生に帰ったときのことだけでもたくさんだ、痩せこけて、足だけ倍にもむくんでる病人を、物置小屋に放り込んだうえ、のら働きまでさせたっていうじゃないか、他人ならまだしも、それが血肉を分けた親きょうだいのすることか、その中にはおふくろもいたんだろう、そのおふくろが病気だって、へ、いまになっておふくろだなんて、そんなことの云えた義理じゃあねえ筈だ」「あらいらっしゃい」と云いながらおすえが勝手からはいって来た、「――あんた、お湯がもう沸きましたよ」十六の二今夜は酒を買って、なにかうまい物でも取ろう、そう云って栄二は勝手へいった...
山本周五郎 「さぶ」
...「葛西屋という宿屋へいったんですが...
山本周五郎 「風流太平記」
...葛西(かさい)ヶ谷(やつ)いちめんは...
吉川英治 「私本太平記」
...頼朝から召(まね)きの書状が飛んでいる葛西領...
吉川英治 「源頼朝」
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