...また生え乱れる八重葎(むぐら)にも手をつけぬままの...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...葎(むぐら)を渦に廻わして東西を失わす...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...丹波の和田山の古屋敷香葎君がやつて来た...
高浜虚子 「椿子物語」
...其の翌日は年尾一家の疎開してゐた但馬和田山の古屋敷香葎君を訪ね...
高浜虚子 「椿子物語」
...香葎君は、「此頃素顔君の門に鍼灸治療といふ看板をかけたが、もと/\大家の旦那であるのを憚つて一人も治療を受けるものはない...
高浜虚子 「椿子物語」
...香葎さまにお電話して...
高浜虚子 「椿子物語」
...ふくみたる酒にほの/″\桃日和 とし子椿子と叡子とふと似春の宵 香葎逝く春の卓に椿子物語 昭子他に三四人の句が書かれてあつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...葎(ホップ)の茎の大きな束や...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...中村が葎(むぐら)をおしまげて腰をおろすと...
久生十蘭 「あなたも私も」
...いくらかは花を植えてあった前庭も葛や葎にとじられて...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...萱や葎(むぐら)にとじられた広い草地や...
久生十蘭 「春の山」
...いつのまにか葎(むぐら)のからみついた門などはもう開らかなくなっていた...
堀辰雄 「曠野」
...倒れかかった門には葎の若葉がしげり...
堀辰雄 「曠野」
......
前田普羅 「普羅句集」
...そゞろにうかれ出たる鶉の足音聞きつけて葎(むぐら)より葎へ逃げ迷ふさまも興あり...
正岡子規 「かけはしの記」
...空に響く楽の音につれて彼等は躍りつゝ舞ひ上り飛び行くに我もおくれじと茨葎のきらひ無く蹈(ふ)みしだき躍り越え思はず野川に落ちしよと見て夢さむれば寝汗したゝかに襦袢(じゅばん)を濡して熱は三十九度にや上りけん...
正岡子規 「小園の記」
...山鳥一羽葎を飛び出でぬ...
正岡子規 「花枕」
...「――葎の門というところだな」彼は静かに眼をほそめた...
山本周五郎 「あだこ」
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