...一葉蘭(いちようらん)が花と葉と...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...某日の黄昏(ゆうぐれ)便所へ往って手を洗っていると手洗鉢(ちょうずばち)の下の葉蘭(はらん)の間から鬼魅(きみ)の悪い紫色をした小さな顔がにゅっと出た...
田中貢太郎 「通魔」
...薄端(うすばた)に未生(みしょう)流らしい矯(た)め方をした葉蘭(はらん)が活(い)けてある床の間を向いて跪(ひざまず)き...
谷崎潤一郎 「細雪」
...大きなサボテンや葉蘭の鉢が硝子の中にくつきりと見えてゐた...
田山録弥 「時子」
...すぐ眼の下の汀(みぎわ)に葉蘭(はらん)のような形をした草が一面に生えているが...
寺田寅彦 「夢」
...その傍(そば)には極って葉蘭(はらん)や石蕗(つわぶき)などを下草(したくさ)にして...
永井荷風 「妾宅」
...障子には植木鉢の葉蘭(はらん)の影が暖かそうに写っている...
夏目漱石 「草枕」
...松苔(まつごけ)を葉蘭(はらん)の影に畳む上に...
夏目漱石 「虞美人草」
...障子の中で例の御師匠さんと下女が話しをしているのを手水鉢(ちょうずばち)の葉蘭の影に隠れて聞いているとこうであった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...さうして夢見心地のする葉蘭の影に...
萩原朔太郎 「宿命」
...庭には葉蘭がたくさんに繁っていた...
室生犀星 「幼年時代」
...手水鉢の水落ちのきわにも手入れの届いた葉蘭のひとむらがあって...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...つづいて松葉蘭、今は誰も顧みぬが当時逸品は百金二百金、これは程なく下火で次は桜草、十五、六年から二十年頃が盛り、染井の常春園、入谷の横山など珍種を誇った...
山本笑月 「明治世相百話」
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