...こういう植物に詳しい人の話に常緑木でも時々落葉樹と同様に一時すっかり落葉することがある...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...ひつそりと落葉する木の・音がして落ちるは柿の葉で・あれは木の実の声です・夜はしぼむ花いけてひとりぐらし夜に入つてから樹明君来庵...
種田山頭火 「其中日記」
...・どこやらに水の音ある落葉水音をたづねて落葉のなかへ・たたへて冬の水のすこし濁り・太陽がのぞけば落葉する家やたんぽぽはまだ咲かない雨の水だまり・けふは水がある川の何やかや流れる長い手紙をかけばしたしく虹がたち・あれこれ食べる物はあつて風の一日よい眼ざめであつた...
種田山頭火 「其中日記」
...落葉するだけ落葉して濡れてゐる・よごれものは雨があらつてくれた一月十三日ぐつすり寝た...
種田山頭火 「其中日記」
...・草のそのまま枯れてゐるそのまま枯れて草の蔓(ツル)・楢の葉の枯れてかさかさ鳴つてゐる・燃えてあたたかな灰となつてゆく・食べるもの食べつくし何を考へるでもない冬夜・いたづらに寒うしてよごれた手・冬日まぶしく飯をたべない顔で・落葉ひよろ/\あるいてゆくひよろ/\あるけばぬかるみとなり落葉する・落葉して夕空の柚子のありどころ(再録)一月十九日雪もよひ...
種田山頭火 「其中日記」
...――・生きものみんな日向へ出てゐて秋風・寝床へ日がさす柿の葉や萱の穂や・何か足らないものがある落葉する・やつと郵便がきてそれから熟柿がおちるだけ十月八日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...落葉する樹もありて・バスト(マヽ)汽車と寒い灯が灯が走りくる・ふけて戻ればたどんがひそかに燃えてゐた湯田一句追加・山山もみづりそのなかよい湯のわくところ・しぐれてはそこらで山羊のなく変電所十一月八日晴曇さだめなくしぐれる...
種田山頭火 「其中日記」
...(七日)・くもりおもたい木魚をたたく・草刈るや草の実だらけ・落葉するする柿の赤うなる・ぶらぶら熟柿の夕焼・ばさりと落ちて死ぬる虫・更けるほどに月の木の葉のふりしきる□よい酒を飲めるやうになる自信はないけれど...
種田山頭火 「其中日記」
...日中は晴れたり曇つたり、夜に入つてしぐれる音か、落葉する音か、いづれ雨は近いだらうが、それがむしろ望ましいが、なか/\かたい天候である...
種田山頭火 「其中日記」
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種田山頭火 「草木塔」
...本郷(ほんごう)大学正門内の並み木の銀杏(いちょう)の黄葉し落葉するのにも著しい遅速がある...
寺田寅彦 「破片」
...囀鳥軟風のふく日暗鬱な思惟(しゐ)にしづみながらしづかな木立の奧で落葉する路を歩いてゐた...
萩原朔太郎 「青猫」
...囀鳥軟風のふく日暗鬱な思惟(しゐ)にしづみながらしづかな木立の奧で落葉する路を歩いてゐた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...カサ……カサ……折々落葉する...
宮本百合子 「秋霧」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
...一つは冬に入って落葉することと...
柳田国男 「故郷七十年」
...バスの女車掌は下へ降りて踏台に片足をかけ、落ちて来る枯葉を仰ぎ見ながら、「落葉する日か...
横光利一 「旅愁」
...翻々(へんぺん)と落葉する――それを見るのとなんの変りもない平凡事にすぎますまい」「われわれは凡俗です...
吉川英治 「三国志」
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