...落莫(らくばく)たる孤独の情をもたらした...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...落莫(らくばく)たる人生も...
芥川龍之介 「葱」
...それはここまでのみちすがらにさんざん私を悩ました、あの人気のない、落莫とした、取りつき端のないような景色よりも、更に思いがけないものだった...
伊藤野枝 「転機」
...まことに落莫(らくばく)としたものである...
上村松園 「中支遊記」
...げんに雨と靉日(あいじつ)と落莫(らくばく)たるただずまいとが...
谷譲次 「踊る地平線」
...遂に或る落莫たる心境に陥らずに済むであろうか...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...彼の多年江湖に落莫し...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...禪宗の山陰道に落莫なるは...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...心の落莫は隠しきれず...
久生十蘭 「川波」
...秋風落莫とうち沈んでいるところへ...
久生十蘭 「魔都」
...落莫(らくばく)たる世間……いや...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...酒場は忽ち落莫たる秋の野原と化してしまつた...
牧野信一 「酒盗人」
...〔明治二八・七・二三『國民之友』二五七號〕落莫たる文藝倶樂部に於て...
八面樓(宮崎湖処子) 「泉鏡花作『外科室』」
...落莫の感なきことを得なかつたであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この落莫(らくばく)たる生活があわれを認められ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...一抹(いちまつ)落莫(らくばく)の感なきを得なかったろう...
吉川英治 「三国志」
...孤塁落莫(こるいらくばく)の一城にたて籠って――どう勝目があろうか...
吉川英治 「新書太閤記」
...落莫(らくばく)としてふるわない傾向があるのに...
吉川英治 「親鸞」
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