...一徳川(とくがわ)八代の将軍吉宗(よしむね)の時代(享保(きょうほう)十四年)その落胤(らくいん)と名乗って源氏坊(げんじぼう)天一が出た...
江見水蔭 「備前天一坊」
...隠居所の御客人はアレこそ当国の太守、少将様の御落胤、奥方様御付きの御腰元鶴江(つるえ)というのに御手が付いて、どうやら妊娠と心づき、目立たぬ間にと御暇(おいとま)を賜わった...
江見水蔭 「備前天一坊」
...これが支度金で出世が出来ると備前の太守の御落胤を売物にして...
江見水蔭 「備前天一坊」
...向うの博士の落胤(おとしだね)だという母子(おやこ)の家へ遊びに行ったり...
徳田秋声 「爛」
...皆々天一坊を御落胤と心得ておりまする」信祝は...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...かかる者を御落胤として認める事は...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...これは家康の落胤(らくいん)だと言われた土井大炊頭(どいおおいのかみ)の如きは...
中里介山 「大菩薩峠」
...何故か天一坊が公方様のお落胤であるという事実を信じまい信じまいとなさって居られたのでございます...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...どうかしてあれが御落胤でないという事を確信したい...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...聞説く幕末御一新騒乱のころ両国水茶屋の茶汲女としてその嬌名を唱はれてゐた河内山落胤のさらにその娘にでも当るものであらうか...
正岡容 「下谷練塀小路」
...その母は大名の落胤公家の余(よげつ)だったなど系図に誇るも似た事だ...
南方熊楠 「十二支考」
...隨つて落胤問題も壽阿彌の祖先の身の上に歸著するかも知れない...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...「壽阿彌さんが水戸樣の落胤(おとしだね)だと云ふ噂(うはさ)があつたさうですが...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...太田道灌の落胤の子孫とか...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...どこかの大名の御落胤くらいは出て来るかもわからない...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...御落胤はとかく異な声をあげ...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...ご落胤の女性(にょしょう)を...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...偽落胤(にせらくいん)に仕立てあげて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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