...彼は茱萸(ぐみ)の枝に衣(きもの)の裾(すそ)を引っかけながらすぐ傍へ往った...
田中貢太郎 「蟇の血」
...上の方の崖(がけ)ぎわの雑木に茱萸(ぐみ)が成っていて...
徳田秋声 「仮装人物」
...山茱萸(さんしい)は黄色の花ざかり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そして向かふの茱萸(ぐみ)の根方に...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...河原柳南風吹け麦の穂に河原柳の影法師最早今年も沢瀉(おもだか)の花はちらほら咲きました待ちも暮しもしたけれど河原柳の影法師山に父母蔓葛羅(つたがつら)何故にこの頃山恋し藪に茱萸(ぐみ)の木野に茨茱萸も茨も忘れたが藪の小蔭の頬白は無事で居たかと啼きもした山に二人の父母は藪の小蔭の頬白は河原柳の花も見ず南風吹け麦の穂に...
野口雨情 「別後」
...九十七番目のも――」茱萸型...
野村胡堂 「百唇の譜」
...菜萸(ぐみ)といっているものの一尺ほどの細木...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...この茱萸すなわちいわゆる呉茱萸(ゴシュユ)は Evodia rutaecarpaBenth. の学名を有する...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...そしてこの二つがともに茱萸であるようだ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...この食茱萸なる者は何か山椒類の者の様ではあるが...
牧野富太郎 「植物記」
...ゆえにこの九月九日の茱萸をグミと思うはこの上もない見当違いである...
牧野富太郎 「植物記」
...旧日重陽日、伝レ杯不レ放レ杯、即今蓬鬢改、但愧菊花開、北闕心長恋、西江首独回、茱萸賜二朝士一、難下得二一枝一来上、人世悲懽自不レ同、莫三将二一様一看二西風一、今朝憶著茱萸賜、幾箇州白髪翁、独在二異郷一為二異客一、毎レ逢二佳節一倍思レ親、遥知兄弟登レ高処、遍挿二茱萸一少二一人一、秋葉風吹黄颯颯、晴雲日照白鱗鱗、帰来得レ問二茱萸女一、今日登レ高酔二幾人一、萸如二蠅子攅レ頭赤一、酒似二鵞児破レ殻黄一、饋レ我真成両奇絶、為レ君大酔作二重陽一、手種二茱萸一旧井傍、幾回春露又秋霜、今来独向二秦中一見、攀折無三時不二断腸一、我邦の学者達はこれら詩中の茱萸を以てグミと解釈しているが、これはトンデモナイ間違である事は既に上に書いた通りである...
牧野富太郎 「植物記」
...呉茱萸の形状性質については『本草綱目』呉茱萸の「集解(しゅうげ)」中に引用してある宋の蘇頌の『図経本草』の説がすこぶる要領を得ているようだから...
牧野富太郎 「植物記」
...茱萸ハ此日ニ到テ気烈ニシテ熟シテ色赤ク其房ヲ折テ以テ頭ニ挿ムベシ悪気ヲ辟テ冬ヲ禦グト云フ(漢文)とある...
牧野富太郎 「植物記」
...前に既に書いた様に元来呉茱萸と呼ぶ者は支那に二種あるのだがその一方の者が朝鮮を経て日本へ来たワケである...
牧野富太郎 「植物記」
...呉其濬の『植物名実図考』に載っている呉茱萸の図は蓋(けだ)しトウダイグサ科のヤマヒハツ(Antidesma)属の一種を描いた者でこれは勿論本当の呉茱萸では無い...
牧野富太郎 「植物記」
...その茱萸というのがわからぬので...
正岡子規 「くだもの」
...一間半ばかりの苗代茱萸が累々(るいるい)としてなって居った...
正岡子規 「くだもの」
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